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月刊 経団連

月刊 経団連2015年1月号

特集 グローバル経済下における事業戦略と日本経済の発展

巻頭言

日本再生により希望に満ちた未来を築く

榊原定征 (経団連会長)

日本は、新たな挑戦の年を迎えた。経済再生への道筋が見え始めているなか、この好機を失することなく、官民ともに全力を尽くす必要がある。 しかし、その道のりは平坦ではない。本格的な人口減少の到来、社会保障給付費の急速な増加、原発停止に伴うエネルギーコストの上昇、経常収支の赤字化への懸念など、課題は山積している。

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特集

グローバル経済下における事業戦略と日本経済の発展

企業の国際競争が激化するなか、日本経済が持続的成長を遂げるためには、日本企業が有する強みを発揮してビジネスチャンスを拡大していくこと、新興国をはじめとする海外経済の活力・成長を取り込むことが求められる。高度外国人材の活用や対内直接投資の増大など、内なるグローバル化の推進も課題となろう。2015年を展望して、世界経済、貿易、金融、産業の動向と各社の事業戦略とそれを実現するための政策課題、さらにグローバルに展開する企業活動が、どのように日本経済の発展に貢献し得るかを議論する。

座談会:グローバル経済下における事業戦略と日本経済の発展

  • 小島順彦 (経団連副会長/三菱商事会長)
  • 奥 正之 (経団連副会長/三井住友フィナンシャルグループ会長)
  • 友野 宏 (経団連副会長/新日鐵住金副会長)
  • 内山田竹志 (経団連副会長/トヨタ自動車会長)

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小島順彦 (経団連副会長/三菱商事会長)
日本の成長戦略にとって、経済連携への積極的な取り組みは不可欠であるが、最も重要なのはTPPである。TPP交渉は正念場を迎えており、日米双方のリーダーシップに期待する。グローバル競争に勝つにはイノベーションが不可欠。グローバル化とイノベーションが日本の成長戦略の両輪となるべきである。持続可能な成長を実現する環境整備に取り組むうえで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は、絶好の機会となるだろう。

奥 正之 (経団連副会長/三井住友フィナンシャルグループ会長)
世界経済は、全体として緩やかな成長軌道に乗っている。国際金融情勢は、日本を含む先進国の中央銀行による金融緩和政策が続くなか、リスクを内包しつつも、安定的に推移するだろう。日本のメガバンクは、ポストバブル期を経て、アジアの成長を足掛かりとして、2005年あたりから反転攻勢。バーゼルⅢ、各国規制、TLACなどの金融規制による世界経済への累積的かつ複層的な影響をしっかりとモニターしつつ、内外において金融仲介機能、情報仲介機能を果たしていく。

友野 宏 (経団連副会長/新日鐵住金副会長)
世界的に見て鉄鋼業は成長産業であり、量的にも質的にも成長を続けている。当社の戦略としては、国内の製造基盤を徹底的に強化したうえで、成長する海外マーケットを捕捉していきたい。基礎産業素材である鉄鋼は、使ってもらって初めて価値が生まれる。競争力のある鉄鋼をつくり、日本のものづくりに貢献していくために、他国の鉄鋼業と同じ土俵で戦えるよう、イコールフッティングが必要である。日本の鉄鋼業は、あらためてプロセスイノベーションに挑戦し、他国を圧倒する技術の獲得を目指していく。

内山田竹志 (経団連副会長/トヨタ自動車会長)
自動車の世界市場は、新興国市場の拡大に支えられ、引き続き拡大するだろう。世界販売における日系メーカーのシェアは30%で世界一であるのに対し、生産は11%と、海外生産が進んできている。当社は「需要のあるところで生産する」という方針であるが、新興国の多様な需要に対応して、日本からの輸出が増える可能性はある。新しい環境技術、安全技術を装備した自動車を先進国に売り込んでいくためにも、開発拠点、マザー工場としての日本の位置付けは重要である。

久保田政一 (司会:経団連事務総長)

  • ●世界経済の展望と各社における事業の展開と課題
  • アジアの成長を足掛かりに反転攻勢へ転じている
  • 商社にとって変化が大きな時ほどビジネスチャンスはある
  • 世界的に見て鉄鋼業は成長産業である
  • 環境技術と安全技術が自動車産業成長の推進力
  • ●事業戦略の実施に必要となる政策課題
  • TPPをはじめ経済連携への積極的な取り組みは不可欠
  • 新興国におけるビジネスインフラ整備を後押しする
  • 事業環境の国際的なイコールフッティングが重要
  • 累積的かつ複層的な金融規制は海外展開のネック
  • ●グローバリゼーションの進展と日本経済の発展
  • マザー工場・R&D拠点として国内事業基盤を強化
  • 国内事業を継続するためには少子化問題に取り組むべき
  • 日本独自の精神・文化を活かした新しい技術・サービスの創出
  • グローバル化とイノベーションが日本の成長戦略の両輪
  • ●日本経済への貢献に向けた課題
  • 日本でビジネスが継続できる環境整備を
  • 近隣諸国との外交の安定が日本経済の安定につながる
  • 東京オリンピック・パラリンピックを最大限に活用
  • あらためてプロセスイノベーションを

さらなる成長に向けたグローバルなFull Value Chainの構築
 中西宏明 (日立製作所会長)

  • 日立の海外事業のこれまで
  • 市場のグローバル化と構造変化
  • ターゲット市場でFull Value Chainを立ち上げる戦略
  • グローバル事業拡大に向けた日立の人財戦略
  • 人財の多様性とリーダーの育成

つなぐ力とビジネスイノベーション
 飯島彰己 (三井物産社長)

  • 近年のグローバル化の潮流
  • 貿易、投資、そしてイノベーション
  • 世界の「つなぎ役」としてのブランド戦略

ドメスティックに徹する
~セブン&アイ・ホールディングスのグローバル対応
 鈴木敏文 (セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO)

  • ビジネスモデルを磨く
  • 現地化に徹する
  • 総合サプライチェーンの構築へ

“先端バイオ技術が先導するスペシャリティ食品企業”を目指して
 伊藤雅俊 (味の素社長)

  • アミノ酸を世界に提供
  • 成長戦略の柱

清水建設のグローバル化への取り組みについて
 寺田 修 (清水建設副社長)

  • 海外における当社の歩み
  • グローバル化の方向性について
  • 課題の克服に向けて

東南アジア発展への協力を通じ東アジア/アジア太平洋に繁栄を
 白石 隆 (政策研究大学院大学学長)

  • 増大する期待の革命
  • 東南アジア各国の経済発展戦略
  • 日本はASEAN統合支援を政策の基本に

東アジアの経済連携、2015年の課題
 木村福成 (慶應義塾大学経済学部教授/東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)チーフエコノミスト)

  • TPPは国際経済秩序形成の核となるか
  • ASEANの求心力強化は可能か
  • 新興勢力による既存の国際経済秩序への挑戦

特別寄稿
グローバル経済におけるジェンダー・ギャップの解消

 カルロス・ゴーン (日産自動車社長兼CEO)

  • ルノー・日産アライアンスにおける女性登用の成果
  • ダイバーシティ推進の取り組み

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一般記事

【提言】
日本の環境外交力への期待

~地球温暖化対策に関する提言
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/096.html
 木村 康 (経団連副会長・環境安全委員長/JXホールディングス会長)
 徳植桂治 (経団連環境安全委員会共同委員長/太平洋セメント会長)

  • 技術の開発と普及が鍵
  • 実効ある国際枠組みの構築を
  • 優れた技術を生み出す国内環境の整備

【提言】
イノベーション・ナショナルシステムを構築し持続的成長につなげる

~「第五期科学技術基本計画」の策定に向けて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/099.html
 内山田竹志 (経団連副会長・産業技術委員長/トヨタ自動車会長)
 小野寺 正 (経団連産業技術委員会共同委員長/KDDI会長)

  • 新コンセプト「未来創造型」
  • 実効性ある計画とするために
  • 評価指標の充実
  • 基本計画と総合戦略の整合性確保、産業界の役割

【提言】
わが国経済社会の活性化に資する外国人材のより積極的な受け入れへ

~第五次出入国管理基本計画策定に向けた意見
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/095.html
 古賀信行 (経団連副会長・産業問題委員長/野村證券会長)

  • 外国人材の受け入れに対する基本認識
  • 高度人材の受け入れ
  • 技能人材の受け入れ
  • 外国人技能実習制度の抜本的見直し
  • 外国人材との共生社会の構築(社会統合)
  • 観光立国の実現

【提言】
「宇宙基本計画」への期待

http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/098.html
 下村節宏 (経団連審議員会副議長・宇宙開発利用推進委員長/三菱電機相談役)

  • 基本計画の重要課題
  • 推進体制の強化
  • 工程表の策定

【提言】
実効ある少子化対策の実現を求める

~今後の少子化対策への要望
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/092.html
 髙尾剛正 (経団連女性の活躍推進委員会子育て支援部会長/住友化学副社長)

  • 少子化の現状と課題
  • 高齢者から若者へ
  • 子育てサービスの拡充
  • 地域ごとにきめ細かな対応の展開
  • 企業が果たすべき役割

【提言】
わが国企業の競争力強化に向けて

http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/094.html
 尾﨑 哲 (経団連産業問題委員会競争力強化部会長/野村證券副社長)

  • 新製品等の開発の重要性
  • 企業間連携における課題
  • 開発力向上と地域活性化の両立を目指した政策支援

日・トルコ経済連携の新たな時代に向けて
~第22回日本トルコ合同経済委員会を開催
 釡 和明 (経団連日本トルコ経済委員長/IHI会長)

  • 二国間経済関係のさらなる発展に向けた基盤整備
  • 互恵的関係の構築や主要な産業分野におけるビジネス機会
  • 成果と今後の取り組み

連載

  • 未来を創る企業力 (6) ~100年経営の真髄に迫る~
    比類なき人間力企業として、よりダイナミックに躍動。
    山九

    • 世界に羽ばたく企業を三事業でトータルサポート
    • 徹底した人材育成によって常に維持される山九品質
    • 時代を越えて受け継がれる社訓に表れた創業者の精神
  • あの時、あの言葉
    人に何をされたかではなく、何をしてあげられるか考える人生を
    近藤史朗(リコー会長)

  • Essay「時の調べ」
    日本ラグビーの未来
    ~2019年W杯日本開催に向けて
    平尾誠二(神戸製鋼コベルコスティーラーズゼネラルマネージャー)

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