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月刊 経団連

月刊 経団連2020年6月号

特集 これからの大学教育と採用・インターンシップのあり方

巻頭言

デジタル・ガバメントの推進に向けて

筒井義信 (経団連審議員会副議長/日本生命保険会長)

わが国では、生産年齢人口の減少、地方の過疎化等、社会課題が山積している。そうしたなかで、行政サービスを維持し、利用者の利便性向上を果たすためには、官民一体となったデジタル・ガバメントの推進が必須である。鍵は、徹底的な利用者目線にある。

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特集

これからの大学教育と採用・インターンシップのあり方

2019年1月に設置された「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下、産学協議会)では、大学教育のあり方や、大学で育成された人材の企業での雇用・処遇等について、経済界と国公私立大学のトップ同士が直接、意見交換を行い、今般、報告書「Society 5.0に向けた大学教育と採用に関する考え方」を取りまとめた。産学協議会の意義と今後の展望について、企業側と大学側それぞれの座長(大学側は当時)に話を聞いた。

座談会:これからの大学教育と採用・インターンシップのあり方

  • 渡邉 光一郎 (経団連副会長、教育・大学改革推進委員長/第一生命ホールディングス会長)
  • 篠原 弘道 (経団連副会長、デジタルエコノミ―推進委員長/日本電信電話会長)
  • 永田 恭介 (筑波大学長/国立大学協会会長/中央教育審議会副会長・大学分科会長)
  • 長谷山 彰 (慶應義塾長/日本私立大学団体連合会会長)
  • ■ Society 5.0で求められる人材と大学教育
  • キーワードは「ダイバーシティ&インクルージョン」
  • 社会で幅広く活躍できる「博士人材」を育成したい
  • 新型コロナウイルスとの戦いがSociety 5.0へのトリガーとなる
  • Society 5.0時代のリベラルアーツ教育とは
  • ■ Society 5.0の大学教育を実現するために必要な産学連携
  • 大学の「思い」と企業の目的を合致させることが大切
  • サービス産業における大学、地域との連携
  • 多様性のある双方向型のリカレント教育を
  • 新たな価値創造を目指す「ビジョン共有型共同研究」
  • ■ Society 5.0における採用とインターンシップのあり方
  • 大学と企業が「一緒に育てる」
  • 日本型雇用システムの未来像を見据えるべき
  • 博士人材のインターンが少ない理由は?
  • 産業分野別にインターンシップを実施できないか
  • ■ 今後の大学と産業界の連携への期待
  • 教育の議論もエビデンスに基づいて
  • 議論を具体的なアクションに移していく
  • 新しいコンセプトを打ち出し取り組みを加速させたい
  • 日本人学生の海外留学の促進、大学の財源確保も課題

インタビュー
Society 5.0に向けた大学教育と採用に関する考え方

2019年1月に設置された「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下、産学協議会)では、大学教育のあり方や、大学で育成された人材の企業での雇用・処遇等について、経済界と国公私立大学のトップ同士が直接、意見交換を行い、今般、報告書「Society 5.0に向けた大学教育と採用に関する考え方」を取りまとめた。産学協議会の意義と今後の展望について、企業側と大学側それぞれの座長(大学側は当時)に話を聞いた。

産学トップ対話が社会課題解決や日本の将来像の議論へ拡大していく
 中西 宏明(経団連会長/日立製作所会長)

  • Society 5.0実現に向け大学教育、産学連携、採用等について率直に議論したいとの思い
  • 企業、大学、政府それぞれが取り組む具体的なアクションに合意
  • ウェブ説明会やオンライン面接の実施など弾力的な採用活動を
  • 加速度的なデジタル化が急務と痛感、教育のICT化を今後議論したい

産業界と大学との未来志向の対話から具体的な実行へ
 山口 宏樹(就職問題懇談会座長/埼玉大学学長(当時))

  • 本音の話し合いが最終報告に結実
  • 人材育成を含めた包括的な産学連携
  • 多様化・複線化する採用形態
  • 「求める能力」と「育てる人材」のマッチング
  • インターンシップの位置付け
  • 人との対話を通じ自ら変われる資質を備える

報告書および10のアクションプランの実行推進に向けて

報告書の取りまとめにあたって
―産学協議会分科会における議論の背景・ポイント

産学協議会では、テーマ別に分科会を設置し、経団連側・大学側からおのおの10~15名が参加し、精力的に討議を行ってきました。報告書として結実するまでに、どのような議論が展開されてきたかその背景を伺うとともに、10のアクションプランの実行など、今後の展開方向について、各分科会長に所感を伺いました。

「リベラルアーツ教育を通じて涵養」の意味深さ
 宮田 一雄(Society 5.0人材育成分科会長/富士通シニアフェロー)

産学間の認識共有から実りある議論へ
 蓼沼 宏一(Society 5.0人材育成分科会長/一橋大学学長)

自律的キャリア形成への転換点
 迫田 雷蔵(今後の採用とインターンシップのあり方に関する分科会長/日立製作所人財統括本部グローバル人財開発部長)

ポスト・ヒューマンの時代、柔軟で複線的な生き方にふさわしい採用の形態を求めていく
 土屋 恵一郎(今後の採用とインターンシップのあり方に関する分科会長/明治大学学長(当時))

産学協議会に参加して
 小川 正樹(地域活性化人材育成分科会長/中部経済連合会専務理事)

Society 5.0における「地域」
 鬼頭 宏(地域活性化人材育成分科会長/公立大学協会会長/静岡県立大学学長)

多数の企業とのデータサイエンス(DS)包括連携と企業の課題解決への貢献
―滋賀大学の取り組み
 須江 雅彦(滋賀大学理事・副学長)

  • わが国初のDS教育研究拠点形成の取り組み
  • 外部連携重視
    ~実践的なDS教育の実現の観点
  • 企業側の反応と包括的連携協力
  • 研究者コミュニティー形成による組織的対応とウィン・ウィンの連携協力
  • 企業連携を通じ国内最大規模のDS教育研究拠点を形成
  • 国内最高水準のDS教育研究を通じてわが国社会経済発展に貢献

女性のための新たな学びと再就職支援
 坂本 清恵(日本女子大学生涯学習センター所長)

  • 日本女子大学のリカレント教育のあゆみ
  • リカレント教育のカリキュラムと学修時間
  • 再就職支援とインターンシップ

ガラパゴス化した人材育成を変革する実務家教員の輩出を目指して
 大森 不二雄(東北大学高度教養教育・学生支援機構教授(大学教育支援センター長))

  • 知識経済への適応に教育・雇用改革は不可避
  • 人材と知の産学間往還を先導する実務家教員の育成
  • 産学共同人材育成の実質化に向けて

Society 5.0人材育成に向けたPBL型教育の事例収集
 戸渡 速志(国立大学協会常務理事)

  • Society 5.0人材育成に有効な手段の1つとしてのPBL型教育
  • TFにおけるPBL型教育の事例収集の概要

事例分析から考える
―PBL型教育と課題認識
 玉田 薫(九州大学副理事/産学協議会Society 5.0時代のPBL型教育促進タスクフォース幹事(大学側))

  • なぜPBL型教育が必要なのか
  • 日本におけるPBL型教育の現状
  • 九州大学の事例
  • PBL型教育の課題と将来

学修経験時間の尊重に向けたインターンシップの取り組みに関する大学との共同声明と産学協議会への期待
 増本 全(全国求人情報協会新卒等若年雇用部会事務局長/リクルートキャリア就職みらい研究所所長)

  • 学修経験時間を充実させるインターンシップの取り組みへ
  • 産学一体で学生を主語とした取り組みを

Society 5.0時代の産学共同教育と産業技術力強化
―「ジョブ型研究インターンシップ」の提案について
 森 晃憲(文部科学省大臣官房審議官(高等教育局及び科学技術政策連携担当))

  • ジョブ型研究インターンシップの概要
  • 今後の進め方

キャリア教育型インターンシップの好事例
―産学協議会での議論から
 (経団連SDGs本部)

  • 宮城大学におけるインターンシップ
  • 新潟大学における初年次転換教育
    「フィールドスタディーズ」

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一般記事

【提言】
Society 5.0時代を切り拓く人材の育成

―企業と働き手の成長に向けて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/021.html
 岡本 毅(経団連副会長、雇用政策委員長(当時)/東京ガス相談役)
 淡輪 敏(経団連雇用政策委員長/三井化学会長)

  • 企業と働き手をめぐる現状と課題
  • Society 5.0を実現する人材の育成
  • 学びと成長を促す環境整備

新型コロナウイルス感染症に対する経団連の取り組み

  1. 感染拡大防止
  2. 医療物資の提供
  3. 雇用維持や就職・採用活動への配慮等の発信・呼びかけ
  4. 新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインの策定
  5. 感染拡大の防止を意識した株主総会運営等

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