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月刊 経団連 国際標準化最前線 ─人材・体制をめぐる課題

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国際標準や規格作りへの取り組みにおいて欧米に劣後しているといわれるわが国では、企業の標準化体制構築の遅れや標準化に対応する人材の減少・高齢化が深刻化している。
そこで本鼎談では、国際標準化の最前線で活躍してきた専門家が自らの経験を踏まえ、標準化に携わる人材の育成や社内の体制における課題、国際標準化活動の強化に向けてわが国が目指すべき方向性などについて議論する。

梅津 克彦 うめつ かつひこ
ヤマト運輸エグゼクティブフェロー兼CSO(最高標準化責任者)担当

2008年からヤマトグループのグローバル事業展開に携わり、アセアン・極東地域の事業拡大を指揮。ヤマト運輸の国際戦略開発・渉外室執行役員として、小口保冷配送の新たな国際標準化(ISO 23412)の策定および保冷輸送の品質管理方式の共通化、生鮮輸送プラットフォーム「FRESH PASS」の構築をリード。2021年から社長室戦略渉外担当執行役員として、物流業界におけるGHG排出量算定の国際標準化に向けて国内外で活動を行う。2023年から現職。国際標準化を担当

永沼 美保 ながぬま みほ
日本電気デジタルトラスト推進統括部主席プロフェッショナル

外資系ITベンダー、セキュリティベンダーを経て2015年日本電気入社。2023年から現職。セキュリティ、トラスト、AI等を中心にグローバルルール形成、国際標準化活動を推進、ガバナンス構築に従事。2002年から、ISO、ISO/IEC JTC1、ITUでのデジュール標準開発の他、欧州、アジア等での地域標準開発、フォーラム標準等へ参画、リーダーシップ職を多数経験。国際電気通信連合標準化局(ITU-T)諮問委員会副議長、内閣府人間中心の社会原則会議構成員、総務省情報通信審議会情報通信技術分科会ITU部会専門委員、経済産業省日本産業標準調査会(JISC)臨時委員

山中 美紀 やまなか みき
ダイキン工業CSR・地球環境センター環境製品グループ担当部長

生命保険会社、貴金属リサイクル会社、総合研究所勤務等を経て2007年ダイキン工業入社。CSR・地球環境センターにて同年から海外子会社でのISO14001取得推進、2010年からは欧州、米国、東南アジア、インドなどグローバルで、ルール形成を通じ同社の持つ環境技術の普及活動にあたる。日本冷凍空調工業会グローバル委員会委員・米国対応ワーキンググループ主査、経済産業省日本産業標準調査会臨時委員

小川 尚子 おがわ なおこ
司会:経団連産業技術本部長

  • ■ 国際標準化との出会い
  • 環境に配慮した「冷媒」の新しいルール作りを経験
  • 公開仕様書を策定して働きかけ、ISOの発行へ
  • 世界は、日本が思っている以上に動いている
  • ■ 国際標準化の最前線における実態
  • 仲間づくりが多様化し、標準化の対象も変わってきた
  • インドの台頭、いかにISOに巻き込むかが課題
  • 食料はグローバルアセット、ISOの捉え方に各国の違いも
  • 透明性が求められ、ISOを支える技術が必要
  • ■ 標準化人材の育成における課題
  • 経験者のノウハウを承継する人事制度が必要
  • リーダーとして成長できる人材を教育することが必要
  • 標準化に携わる人材をどのように評価するかが課題
  • 経営サイドは標準化チームに託すことも重要
  • 標準化の世界には“仕掛ける楽しさ”がある

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