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月刊 経団連

月刊 経団連2015年11月号

特集 日米経済関係のさらなる拡大と深化に向けて

巻頭言

アメリカ ― 豊かさと多様性

中西宏明 (経団連副会長/日立製作所会長)

私の米国初訪問は1968年、当時工学部の学生で夏休みを利用し、西海岸から東海岸まで大学や企業を訪問して巡る貧乏旅行だった。米国の第一印象は途轍もなく大きく豊かな国だということに尽きる。常にフロンティアが拡大していく国だと実感した。

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特集

日米経済関係のさらなる拡大と深化に向けて

日米関係はわが国にとって最も重要な二国間関係である。日米同盟はアジア太平洋地域全体の平和と安定を確保する役割を担うが、経済面でも両国の結び付きは強く、TPP実現をはじめ両国経済関係のさらなる拡大と深化に向けて、経済界としても積極的に取り組んでいく必要がある。「経団連訪米ミッション」(2015年6月28日~7月3日)の成果を確認するとともに、日米関係における課題や取り組み、両国関係のさらなる強化に向けた方策等について議論する。

座談会:日米経済関係のさらなる拡大と深化に向けて

  • 石原邦夫 (経団連副会長・アメリカ委員長/東京海上日動火災保険相談役)
  • 藤崎一郎 (日米協会会長/前駐米日本大使)
  • 村瀬治男 (経団連副議長・アメリカ委員長/キヤノンマーケティングジャパン会長)
  • 久保文明 (東京大学大学院法学部政治学研究科教授/21世紀政策研究所研究主幹)

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石原邦夫 (経団連副会長・アメリカ委員長/東京海上日動火災保険相談役)
日系企業の経済面や雇用創出面での貢献を示しつつ、日米経済関係の重要性を訴えることが今回のミッションの大きな目的であった。要人との対話、全米各地でのプレゼンを通じて、そのことが認識されたと感じている。日米経済関係における第一の課題は、TPPの早期・ハイレベルの妥結である。経済的利益を超えた安全保障上の意味も大きい。良好な日米関係をさらに発展させるためには、重層的かつ多層的な交流を図ることが大切である。経団連アメリカ委員会としては、今後も米国要人との対話を活発に行っていきたい。

藤崎一郎 (日米協会会長/前駐米日本大使)
日米関係が新たな局面を迎えているのは、日本経済が復活しつつあるからである。日本が米国にとって大事なパートナーであるためには、強い経済を維持することが欠かせない。各州は日本の投資に強い関心があり、今回、経済界が直接地方に働きかけたのは画期的である。ぜひ続けてほしい。また、現地支社・支店による社会貢献を引き続き奨励してほしい。

村瀬治男 (経団連副議長・アメリカ委員長/キヤノンマーケティングジャパン会長)
日米関係は大切な二国間関係であるが、これは決して東京とワシントンの関係だけではない。今回のミッションでも感じたが、日本の地方自治体と比べて米国の州はその成り立ちからしても強い権限を持っており、企業誘致、産業振興など、知事を先頭に積極的に取り組んでいる姿が実感できた。ともすれば東京とワシントン、ニューヨーク、シリコンバレーの関係で物事を考えがちであるが、やはり幅広く人と人、草の根レベルの交流が大切だと考えている。日本は現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まったことを機に国際関係の一層の強化を図っているが、市民レベルの交流が促進されるような具体的なプログラムを官民で立ち上げて行く必要があると思う。

久保文明 (東京大学大学院法学部政治学研究科教授/21世紀政策研究所研究主幹)
今回の経団連ミッションは、米国におけるわが国のプレゼンスを高めるうえで、大きな貢献をしたと考えている。中国経済の魅力が低減するなか、今は日本の重要性をアピールする好機である。その意味で、経団連のワシントン事務所が再び開かれたことは、大変喜ばしい。日本経済の魅力、日本企業の米国での貢献などを発信することを期待している。

久保田政一 (司会:経団連事務総長)

  • ●経団連訪米ミッションを振り返って
  • 州経済における日系企業の貢献を実感
  • 州が強い権限を持っていることを再認識
  • 米国の重要なパートナーとなるために欠かせない強い経済
  • 日本企業による投資・雇用創出が、日本のプレゼンスを高める
  • ●日米関係における課題と取り組み
  • 草の根レベルでの交流が大切
  • TPPの妥結に向けて、経済界の後押しが必要
  • 同盟国としての日本の価値は上昇
  • 日米関係強化の方向性は、吉田・岸内閣の時代から不変
  • ●日米関係のさらなる強化に向けて
  • 2020年に向け、市民レベルの交流を促進
  • 日米関係は三つの「NO」が鍵
  • 3・11における米国の支援を顕彰する組織の設立を
  • 重層的かつ多層的な交流を図ることが大切

特別寄稿

アジア太平洋地域の安定とさらなる発展に向けて
 キャロライン・ケネディ (駐日米国大使)

日米経済関係のさらなる拡大と深化に向けて
 榊原定征 (経団連会長)

  • 摩擦の時代を乗り越えて日系企業は米国経済の成長と雇用に貢献
  • 米国企業のさらなる日本への進出を期待
  • 日米経済のさらなる統合に向けてTPP協定の早期発効が不可欠
  • 会長就任2年目を「アメリカ・イヤー」と位置付け

経済成長の拡大と日米パートナーシップの深化に向けて
 メアリー・テイラー (オハイオ州副知事)

  • オハイオ州に多様性をもたらす日本
  • 100年の時を経て今花開く絆

TPPを通じた世界貿易体制再構築へ向けての日米協力
 浦田秀次郎 (早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)

  • TPPの日米にとっての重要性
  • 日米交渉の問題点
  • TPPを超えて:世界貿易体制の再構築

米国議会における日本との関係強化への期待
 ホアキン・カストロ (米連邦下院議員/ジャパン・コーカス共同議長)

  • 将来にわたる日米両国のパートナーシップ
  • より平和で安全な世界に向けて
  • TPP実現で経済連携のさらなる強化を

日系人コミュニティーの活動と今後の課題
 グレッグ・キムラ (全米日系人博物館館長)

  • 進化する日本文化への関心
  • 祖先とのつながりを一貫して保持

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一般記事

モンゴル・ミッションを派遣
~経済交流の一層の発展に向けた契機に
 榊原定征 (経団連会長)

  • 経済関係拡大へ官民首脳と意見交換
  • 経済関係拡大の基盤となるEPA

【提言】
新たな気候変動枠組みの構築に向けた提言

~COP21を見据えた国際交渉や今後の国内対策のあり方
http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/077.html
 木村 康 (経団連副会長・環境安全委員長/JXホールディングス会長)
 徳植桂治 (経団連環境安全委員長/太平洋セメント会長)

  • 提言1:すべての主要排出国が参加する公平で実効ある国際枠組みの実現
  • 提言2:多層的な国際推進体制の構築
  • 提言3:今後の国内対策のあり方

【提言】
防衛産業政策の実行に向けて

http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/080.html
 宮永俊一 (経団連副会長・防衛産業委員長/三菱重工業社長)

  • 防衛生産・技術基盤の強化
  • 防衛装備庁への期待
  • 産業界の取り組み

【提言】
生活サービス産業が2025年の社会を変える

http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/078.html
 石塚邦雄 (経団連審議員会副議長・生活サービス委員長/三越伊勢丹ホールディングス会長)
 高原豪久 (経団連生活サービス委員長/ユニ・チャーム社長)

  • 社会・制度のイノベーションを促す
  • 「創造×生産性」で市場拡大と付加価値向上を実現
  • ライフイベントに対応した企業提案

連載

  • あの時、あの言葉
    我を捨てなさい
    三島康博(フタバ産業社長)

  • Essay「時の調べ」
    トップアスリートも実践する、ケガ予防の最前線
    広瀬統一(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)

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