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月刊 経団連 座談会・対談 「豊かで活力ある日本」に向けて ―岐路に立つ日本と経済界の役割

小林 健
経団連副会長
三菱商事会長

永易克典
経団連副会長
三菱東京UFJ銀行相談役

中西宏明
経団連副会長
日立製作所会長

榊原定征
経団連会長

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榊原定征(経団連会長)
人口減少、高齢化、社会保障給付費の急増、財政赤字の拡大など山積する課題に立ち向かい、明るい未来を切り拓き、次の世代に活力ある経済・社会を引き継いでいくことは、われわれの世代の責務である。そのためには政府、企業、国民はじめオールジャパンで日本再興に取り組むことが不可欠である。そうした思いと決意を込めて、経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」を取りまとめた。「Policy & Action」という基本理念は、政策を提言するのと同時にその実現を図るということだ。経団連は改革の旗手として課題解決に先頭に立って取り組むとの決意で臨みたい。

中西宏明(経団連副会長/日立製作所会長)
Society 5.0は成長戦略の柱ということにとどまらず、世界に向けて提示する人類繁栄のモデルである。その実現に向けて日本の官民は取り組みを強化しており、諸外国から賞賛と期待を持って受け止められている。広く国民の理解を得るには時間がかかるが、経団連としても粘り強く普及に努め、日本が世界でイニシアティブを取るためには、デジタライゼーションを「社会課題を解決するためのツール」と位置付け、世界に貢献するという意識を堅持することが大切だ。産業構造を変えるほどの変革であるから、当然抵抗感を持つ層もあるだろうが、コンセンサスづくりを進め、敢然と実行に移さねばならない。

永易克典(経団連副会長/三菱東京UFJ銀行相談役)
現在、世界経済のファンダメンタルズは決して悪くないが、英国のEU離脱問題、トランプ政権の打ち出す諸政策などが見通せず、先行きに対する不透明感が広がっている。こうした情勢のなかで、日本は政官民が緊密に連携し、不安定要素をしっかり分析しながら、グローバリゼーションを推進する必要がある。政府と経団連は今、Society 5.0を成長戦略の柱に位置付け、実現に向けた活動を加速させているが、金融業界でもまた、フィンテックの社会実装に向け、オープンイノベーションの取り組みが広がっている。また、山積する課題のなかでも、財政再建は重要課題。「2020年PB黒字化」の実現に向けた政府への働きかけを継続していくべき。

小林 健(経団連副会長/三菱商事会長)
世界経済は長期的には、紆余曲折のある「稲妻型の成長」となるであろう。通商国家・日本としては、トランプ政権の動向や地政学リスク等を踏まえ、二国間・多国間の経済連携協定を進めていくべきだ。日本の経済・社会に活力を取り戻すには、制度改革に伴うコストの公平な負担について国民の理解を得つつ、まず若年層の希望を増やす方策の実行が必要。Society 5.0が実現すれば、中央と地方の距離感が解消され、若年層の活躍と地方活性化という成長戦略の二大目的を同時に達成できる。経団連ビジョンはすでに実行段階に入っている。正直、勤勉、知恵の活用という日本元来の強みを活かし、行動あるのみ。

久保田政一(司会:経団連事務総長)

  • ■ 「豊かで活力ある日本」に向けて
  • 今こそ課題解決のチャンスである
  • ■ 揺れる世界の政治経済情勢のなかでのグローバリゼーションの推進
  • 不安定要素をしっかり分析し、グローバリゼーションを推進する
  • 通商における新たな「変数」の出現
  • Society 5.0の実現が、インフラシステムの海外展開を後押しする
  • 自由貿易体制を堅持・拡大していくために
  • ■ イノベーションの創出、Society 5.0に向けた社会・制度改革
  • Society 5.0の理解浸透に向け官民連携で多方面に発信を
  • フィンテックをめぐるグローバル競争の激化
  • Society 5.0の「光と影」を国民に説明することが大切
  • ■ 人口減少のなかでの日本経済・社会の発展
  • 若年層の活躍と地方活性化の実現を求める
  • 企業には「オープン」な体制づくりが不可欠
  • 経済界を代表して言うべきことはきちんと言う
  • 「2020年PB黒字化」の旗は絶対に降ろしてはいけない
  • ■ 経団連が果たすべき役割

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