とりわけ、企業における高齢社員の活躍は、わが国で深刻化している労働力問題への対応だけではなく、高齢社員のエンゲージメント向上を通じてパフォーマンスを高めることで、イノベーションを創出し、企業の生産性の向上にもつながる重要な取り組みといえる。
そこで本座談会では、高齢者雇用の現状・課題と対応策を伺い、今後の方向性を展望する。
直木 敬陽
なおき よしはる
経団連雇用政策委員会、人事・労務部会長
ANAホールディングス専務執行役員
1987年全日本空輸入社。ワシントン支店長、グループ会社役員、グループ人財戦略室長を経て、2019年執行役員。2021年にANAホールディングス上席執行役員兼全日本空輸取締役執行役員となり、2024年6月から現職。現在はグループCHO(グループ人事・グループ労政)、およびグループ経営戦略を担当
石山 恒貴
いしやま のぶたか
法政大学大学院政策創造研究科教授
博士(政策学)。NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。組織行動論、人的資源管理、越境学習、キャリア形成、タレントマネジメント等が研究領域。日本キャリアデザイン学会副会長、人材育成学会常任理事、Asia Pacific Business Review(Taylor & Francis)Regional Editor、日本女性学習財団理事等。主な著書:『定年前と定年後の働き方』『越境学習入門』『日本企業のタレントマネジメント』『地域とゆるくつながろう!』など多数
小林 祐児
こばやし ゆうじ
パーソル総合研究所上席主任研究員
上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻博士前期課程修了。NHK放送文化研究所に勤務後、総合マーケティングリサーチファームを経て、2015年からパーソル総合研究所。労働・組織・雇用に関する多様なテーマについて調査・研究を行う。著作に『罰ゲーム化する管理職』(集英社インターナショナル)、『リスキリングは経営課題』(光文社)など多数
藤原 清明
ふじわら きよあき
司会:経団連専務理事
- ■ 高齢者雇用の現状と課題
- 「福祉的雇用」からの脱却
- ■ 課題解決の方向性と対応策
- サクセッションプランを早めることが一つの解
- ジョブ・クラフティングやSOC理論を取り入れる
- 異動に社内公募制度を活用していく
- エイジズムのバイアスを取り除くには
- コミュニケーションを回避する上司が増えている
- ■ 高齢者雇用の今後の方向性
- 専門性の尊重はもろ刃の剣
- 専門性の要件を見直す必要がある