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月刊 経団連

月刊 経団連2023年11月号

特集 シン・物流時代 ─物流の成長産業化に向けて

巻頭言

日本の産業競争力を強化するために

垣内 威彦 (経団連副会長/三菱商事会長)

世界各国はインフレをいかに抑え込むかの対応に追われているが、今後もエネルギーや食料価格が乱高下することを所与として考えなくてはならない。加えて、地政学情勢により迫られるサプライチェーンの再構築、脱炭素に向けたエネルギー供給のあり方など、複雑に絡み合った諸課題にも直面している。

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特集

シン・物流時代 ─物流の成長産業化に向けて

今、物流が危機にある。
トラックドライバーへの時間外労働の上限規制適用による輸送力不足への懸念、いわゆる「2024年問題」は、間近に迫っている。
こうした中、持続可能な物流を実現するためには、最新の技術の活用や商慣行の是正を通じて物流の効率化を図ることに加え、コストとして捉えられがちな物流を成長産業化させる取り組みが欠かせない。そして、物流事業者のみならず、荷主、一般消費者、政府も含め、物流に関わる全てのステークホルダーが、持続可能な物流に向けて自らできる第一歩を踏み出すことが何よりも求められる。

座談会:物流の成長産業化に向けて

  • 池田 潤一郎 (経団連ロジスティクス委員長/商船三井会長)
  • 今村 雅弘 (衆議院議員/自由民主党物流調査会長)
  • 高岡 美佳 (立教大学経営学部教授)
  • 澤江 潔 (司会:経団連ロジスティクス委員会企画部会長/旭化成執行役員購買・物流担当)
  • ■ 日本の物流の現状と課題
  • 効率的な物流のために考えるべきこと
  • 物流業界が直面する様々な課題
  • 物流をボトルネックにしないために
  • ■ 各ステークホルダーの役割と具体的に求められる課題解決策
  • 物流課題の解決に向けた取り組みの例
  • 物流業界からの積極的な提案
  • ■ 物流のカーボンニュートラル化、成長産業化に向けて必要な取り組み
  • 2024年問題をイノベーションの契機に
  • 競争と協調による物流の高付加価値化
  • 物流の先にあるものを考える

持続可能な物流に向けて
 鶴田 浩久(国土交通省物流・自動車局長)

  • 物流を取り巻く環境
  • 「物流革新に向けた政策パッケージ」の策定
  • 政府・与党における検討状況
  • 「政策パッケージ」に基づく具体的な取り組み

フィジカルインターネット実現のロードマップ
 茂木 正(経済産業省商務・サービス審議官)

  • わが国が直面する「物流危機」
  • 次世代の物流システム「フィジカルインターネット」
  • 地域レベルでのフィジカルインターネット推進
  • 業種レベルでのフィジカルインターネット推進

花王が挑むサステイナブルなサプライチェーン
 山下 太(花王SCM部門ロジスティクスセンター長)

  • 花王のESG戦略
  • フィジカルインターネット実現に向けて
  • 将来の魅力あるロジスティクスを目指して

企業間物流インフラをアップデートする
 佐々木 太郎(Hacobu社長CEO)

  • 物流インフラのデジタル化が課題
  • ミッションは「運ぶを最適化する」

業種業界を超えた究極の共同輸送で目指す“サステイナブル”な物流
 深井 雅裕(日清食品取締役サプライチェーン本部長)

  • 物流の現状と課題
  • サッポログループ物流との共同輸送の取り組み
  • データマッチングとオペレーションの擦り合わせ
  • ゲインシェアのルール作りと共通認識の醸成の重要性
  • 共同輸送の面的な拡大
  • 未来への展望

新しいモビリティによる無人物流システム
─労働人口減少の問題に答えを
 松田 義基(川崎重工業執行役員社長直轄プロジェクト本部本部長)

  • 屋外・屋内物資輸送 ─自動配送ロボット
  • 無人地帯物資輸送 ─VTOL無人機
  • 無人物流実現に向けた課題

幹線輸送の効率化に向けて
─ダブル連結トラック、隊列走行、自動運転の取り組み
 佐藤 浩至(いすゞ自動車執行役員開発部門VP技術渉外担当)

  • ダブル連結トラック
  • 大型トラックの隊列走行
  • 大型トラックの自動運転
  • ダブル連結トラック、トラック隊列走行、自動運転トラックの社会実装に向けて

2050年ネットゼロ実現に向けた日本郵船グループの取り組み
─計画的な加速
 長澤 仁志(日本郵船会長)

  • 国際海運の脱炭素に向けた動向
  • 当社グループの中期経営計画とマテリアリティー
  • 燃料転換ロードマップ
  • 再生可能エネルギー事業とエネルギー回収事業への参画
  • 多様なステークホルダーとの共創を通じ、革新的技術の開発で世界の脱炭素に貢献
  • モノの値段が変わる

「持続可能」な物流のために消費者ができること
 河野 康子(日本消費者協会理事)

  • 消費者庁からの呼びかけ
  • 「送料無料」表示に関する議論から物流への理解を深める
  • 企業間物流の課題解決への取り組みにも期待
  • 「2024年問題」を自分ごととして考え、行動する

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一般記事

【提言】
日本経済にダイナミズムを取り戻す

─2023年度規制改革要望を公表
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/061.html
 筒井 義信(経団連副会長、行政改革推進委員長/日本生命保険会長)
 時田 隆仁(経団連審議員会副議長、行政改革推進委員長/富士通社長)

  • 企業がゲームチェンジに対応するための規制・制度改革
  • さらなる規制改革の推進に向けて

【報告】
南米の大国ブラジルとのさらなる連携強化に向けて

─「日伯経済関係の推進に向けた共同声明」を採択
 第24回日本ブラジル経済合同委員会をベロオリゾンテで開催
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/051.html
 安永 竜夫(経団連副会長、日本ブラジル経済委員長/三井物産会長)

  • 国際社会で存在感を高めるブラジル/日伯の一層の協力に期待
  • 地球規模課題の解決に向けた日伯連携の可能性
  • カギを握る日本メルコスールEPAの早期締結

【報告】
訪南米ミッションを派遣

─日本メルコスールEPAの早期締結を各国要人に働きかけ
 加瀬 豊(経団連中南米地域委員長/双日特別顧問)

  • 多様性に富む3カ国。国ごとの課題を再認識
  • メルコスール諸国との一層の経済関係強化を目指す

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