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月刊 経団連

月刊 経団連2022年9月号

特集 サステイナブルな資本主義を実践する アフリカの内発的・持続的発展に貢献する

巻頭言

「サステナビリティ」の変容と社会経済変革

平野 信行 (経団連副会長/三菱UFJ銀行特別顧問)

パンデミックに続くロシアのウクライナ侵略は、中国の台頭や格差の拡大に伴う社会的分断の進行によって揺らぎ始めていた冷戦後の世界秩序に終止符を打つものとなるだろう。今や、「サステナビリティ」は気候変動への対応だけでなく、社会・経済・安全保障を含む様々な領域で世界をどう再構築していくのかという多元的なミッションに変容しつつある。

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特集

サステイナブルな資本主義を実践する

経団連は7月21、22の両日、軽井沢で夏季フォーラム2022(議長=中村邦晴副会長)を開催した。同会合には、十倉雅和会長、冨田哲郎審議員会議長をはじめ副会長、審議員会副議長40名が参加し、「サステイナブルな資本主義を実践する」を統一テーマに、講演や討議が行われた。特別セッションでは、岸田文雄内閣総理大臣が講演を行い、政策実行を含めた一層の官民連携の実現に向け、経済界への期待を表明した。討議結果は、「経団連夏季フォーラム2022行動宣言」として採択され、十倉会長・中村議長から岸田首相に手交した。
本特集では、講演要旨、行動宣言、討議テーマに関連した寄稿を紹介する。

夏季フォーラム2022:サステイナブルな資本主義を実践する

経済と外交2つの課題
―新たな官民連携によって、経済社会の変革を進めていく
 岸田 文雄(内閣総理大臣)

The Politics of Catastrophe and the Impact on Japan
―大惨事の人類史と日本への影響
 ニーアル・ファーガソン(スタンフォード大学シニアフェロー)

残すに値する未来を考える
 安宅 和人(慶應義塾大学環境情報学部教授/Zホールディングスシニアストラテジスト)

地方創生と中小企業のDX
 森川 博之(東京大学大学院工学系研究科教授)

【行動宣言】
サステイナブルな資本主義を実践する

https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/071.html

【コラム】
出会いこそ、生きる力

 サヘル・ローズ(俳優)


イノベーションをいかに起こしていくか
web3の推進に向けた日本の課題
―スタートアップの視点から
 浜宮 真輔(01Booster Capital 取締役)

  • Blockchainという技術と思想が起こした革命
  • Blockchainから生まれたweb3という新しい経済システム
  • web3の推進に向けた日本の課題
  • web3と共存する世界に向けて

地方をいかに元気にしていくか
芸術祭で生まれ変わる越後妻有
 関口 芳史(十日町市長)

  • 文化芸術による新しい地方創生の1つのモデル
  • 地域が直面する課題にも向き合う

GXをいかに進めていくか
エネルギー危機が世界にもたらす変化
 久谷 一朗(日本エネルギー経済研究所戦略研究ユニット担任補佐
国際情勢分析第1グループマネージャー研究理事)

  • エネルギーを巡る新たな地政学的な分断の可能性
  • 気候変動問題への対応における南北問題の先鋭化

自由主義的国際秩序に対する挑戦に日本はどう対応すべきか
国際秩序はどうなるのか?
 白石 隆(熊本県立大学理事長)

  • 秩序崩壊をもたらした要因
  • ルール違反に対する制裁の意味

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特集

アフリカの内発的・持続的発展に貢献する

広大な面積に豊富な資源を有するアフリカは、人口や中間層の増加に伴う消費市場の拡大など、今後一層の経済発展が期待される。また、2015年に採択された長期ビジョン「Agenda2063」において、貧困、インフラの未整備、水・食料不足、環境破壊等の様々な社会課題の解決に取り組む姿勢を明らかにしている。今般開催されたTICAD8でもアフリカが直面する課題解決に向けた方策が議論された。
こうした状況を踏まえ、経団連は今年5月に提言を公表し、我が国が官民連携により、内発的・持続的な発展を目指すアフリカを伴走支援し、経済社会の発展に貢献するための具体策を示した。本稿では、提言の概要および社会課題解決に関わる企業の取り組みを中心に紹介する。

TICAD8:アフリカの内発的・持続的発展に貢献する

第8回アフリカ開発会議(TICAD8)に大橋・加留部両サブサハラ地域委員長が参加
 大橋 徹二(経団連副会長、サブサハラ地域委員長/コマツ会長)
 加留部 淳(経団連サブサハラ地域委員長/豊田通商シニアエグゼクティブアドバイザー)

  • TICAD8全体会合
  • TICAD8ビジネスフォーラム
  • 各国閣僚および日・チュニジア経済関係者と意見交換

【提言】
官民一体によるアフリカビジネスの一層の促進を目指す

―提言「アフリカの内発的・持続的発展に貢献する」の概要
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/048.html
 大橋 徹二(経団連副会長、サブサハラ地域委員長/コマツ会長)
 加留部 淳(経団連サブサハラ地域委員長/豊田通商シニアエグゼクティブアドバイザー)

  • アフリカの開発促進から内発的・持続的発展支援へ
  • ビジネスの基盤となる3つのインフラを整備
  • 政府の司令塔機能の一層の強化を

建機に関わる現地人材育成
 柳沢 是清(コマツ常務執行役員・建機マーケティング本部長)

  • 日本重機オペレーター専門学校 JHEOS(リベリア)
  • ウガンダMETRACトレーニングセンター
  • TECHNICAL EDUCATION FOR COMMUNITIES(TEC)
  • コマツ・デンロン コミュニティーセンター

4つの重点分野で、飛躍するアフリカに貢献
―for the future children of Africa
 木村 和昌(豊田通商アフリカ本部新規事業開発COO・アフリカ極CEO補佐)

  • グローバルビジョン「Be the Right ONE」
  • 4つの重点分野に注力
  • 産業変革
    ―活力あるアフリカの未来創造に貢献
  • グリーンエコノミー
    ―よりグリーンな経済成長で、持続可能な社会の実現に貢献
  • グローバルヘルス
    ―アフリカに健康と笑顔を届ける
  • 人財開発
    ―未来を担う子どもたちの可能性を最大限に引き出す
  • アフリカの人や社会と共に成長

アフリカとともに歩む50年
―社会課題解決への取り組み
 齊藤 伸彦(ヤマハ発動機海外市場開拓事業部長)

  • 漁業指導から進化したアフリカ市場開拓
  • 二輪車事業と新しいチャレンジ
  • 現地人材への教育
  • ユニバーサルヘルスカバレッジへの取り組み
  • アフリカ市場との新たな50年

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一般記事

【報告書】
企業向けワーケーション導入ガイド

―場所にとらわれない働き方の最大活用
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/069.html
 菰田 正信(経団連副会長、観光委員長/三井不動産社長)
 新浪 剛史(経団連観光委員長/サントリーホールディングス社長)
 武内 紀子(経団連審議員会副議長、観光委員長/コングレ社長)

  • 今なぜワーケーションなのか
  • 企業における実施事例
  • 規程の整備の考え方
  • 地域・施設を選定する場合の考え方

ASEANとのさらなる連携・協創に向けて民間外交を展開
―訪シンガポールミッションを派遣
 田中 秀幸(経団連アジア・大洋州地域委員会ASEAN経済連携強化部会長
/三井住友海上火災保険常勤監査役)

  • 提言に基づき具体的なアクションを展開
  • 訪シンガポールミッションで官民と意見交換
  • 今後に向けて

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