日本経団連の活動の指針となる総会決議「政策を総動員して成長軌道に回帰する」を取りまとめた(5月28日の定時総会において採択)。同決議では、世界同時不況という難局に怯むことなく、将来を見据えた大胆な経済政策を速やかに実行するとともに、経済社会の構造改革を推進するため、日本経団連として、総力を結集し改革の先頭に立つ決意を示した。
大幅な需給ギャップの存在からくる物価下落、資産デフレ、依然として不透明感がある企業金融から脱却するため、提言「経済危機からの脱却と持続的な成長の実現に向けた金融のあり方」(2009年11月9日)を公表した。
その結果、政府系金融機関による企業の資金繰り支援策の継続や、日本銀行によるさらなる金融緩和強化策が講じられることになった。
4月に「新憲法制定議員同盟」が開催した会合において、清水委員長が憲法改正に関する取組み等について説明した。また、5月の同議員同盟による「新しい憲法を制定する推進大会」においても、取組み等について説明した。
当面の経済危機脱却後を視野に入れて、わが国経済が将来にわたって持続的な成長を実現していくための経済政策のあり方について、企画部会(部会長:村岡富美雄東芝取締役代表執行役副社長)において検討を進め、提言「経済危機脱却後を見据えた新たな成長戦略」(2009年12月15日)を取りまとめた。
同提言では、今後、わが国が取るべき成長戦略について、新たな需要が期待される5つの分野((1)成長を続けるアジア、(2)資源・環境・エネルギー問題の解決への貢献、(3)ICTの利活用、(4)少子・高齢化社会への対応、(5)地域の潜在力の発揮)を取り上げ、それぞれの分野で需要を顕在化させていくために必要な施策を掲げるとともに、持続的な成長を支える政策の3本柱((1)国際競争力を有する産業のさらなる強化、(2)成長力の源泉の創出と底上げ、(3)多様な労働力の活用と質の向上)を主張した。その実現に向け、働きかけを行った結果、政府が公表した「新成長戦略(基本方針)」(2009年12月30日)にも盛り込まれた。
経済情勢専門部会(月1回)では、内閣府および日本銀行からマクロ経済全般について、また、金融情勢懇談会(年5回)では、日本銀行および金融庁から金融市場情勢や国際的な金融規制について、それぞれ説明を聞き、意見交換を行った。さらに、企業金融の円滑化に向けて、会員企業からの要望等を適宜聴取した。
統計部会(部会長:佐々木常夫東レ経営研究所社長)において、総務省から、政府が策定した「公的統計の整備に関する基本計画」の進捗状況および、2009年に実施された「経済センサス」および2010年に実施される「国勢調査」について説明を聞くとともに意見交換した。
2009年度においては、景気を一刻も早く民主導の順調な回復軌道にのせるべく、経済活性化に資する税制を実現するとともに、税制抜本改革に向けた取組みを行った。
各政党の衆院選マニフェストへの意見反映を図るべく、在日米国商工会議所および欧州ビジネス協会との共同で「欠損金の繰越期間延長および繰戻還付の復活・延長の早急な実行を求める共同提言」(2009年7月29日)を取りまとめた。2009年8月の総選挙に際しての「民主党政策集INDEX2009」においては、欠損金の繰戻還付制度の凍結の解除が盛り込まれた。
新政権下において税制改正プロセスが政府税制調査会に一本化されたことから、政府税制調査会における税制改正の検討作業への意見反映を図るべく、企画部会(部会長:田中稔三キヤノン副社長)を中心に精力的な検討を行い、「平成22年度税制改正に関する提言」(2009年10月2日)を取りまとめた。
同提言では、第一に、わが国企業の国際競争力を維持・強化する観点から、研究開発促進税制の拡充・延長、第二に、わが国企業の円滑な国際展開を進める観点から、タックスヘイブン対策税制等の国際課税の見直し、第三に、企業グループの一体的経営が拡大・深化する中での、連結納税制度の改善を含むグループ経営に整合的な税制の整備等を要望した。この他、自動車・燃料関係諸税の抜本的な見直し、確定拠出年金に係る税制の見直し、非居住者等の受ける利子の非課税措置の拡充、住宅・土地税制に係る各種特例の延長等を求めた。
その結果、12月に取りまとめられた税制改正大綱では、研究開発促進税制の上乗せ措置が2年間延長された。また、タックスヘイブン対策税制の抜本的な改革が行われ、日本企業の多くが進出している中国や韓国等がタックスヘイブン対策税制の適用対象から外れることとなった。さらに、連結納税制度の開始・加入時において子会社欠損金の切り捨てが緩和される等、連結納税制度の改善ならびにグループ法人税制の導入が図られた。この他、自動車重量税の一部負担軽減、確定拠出年金制度におけるマッチング拠出の容認、非居住者等の受ける振替社債等利子の非課税措置の創設及び民間国外債に係る利子非課税措置の恒久化等が盛り込まれた。
「平成22年度税制改正に関する提言」(2009年10月2日)では、政府に対し、税制抜本改革の諸課題について、スケジュールを明確に示した上で、着実かつ段階的に実現を図るように提言した。
その結果、税制改正大綱において、政府税調が、税制抜本改革実現に向けての具体的ビジョンに関する工程表を作成し、その工程表に基づき税制抜本改革を実現することが明記された。
また、安心できる社会保障制度の構築、財政の中長期的な持続可能性の確立等の観点から、消費税率引上げを含む税制抜本改革に着手することが不可避であること等を示すべく、他の関連委員会との連携を図りつつ、経済成長戦略の一環として、税・財政・社会保障一体改革に関する提言の取りまとめ作業を進めた。
租税条約ネットワークの充実・拡大に向けて、サウジアラビア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、シンガポール、マレーシア、香港等、わが国にとって重要な貿易相手国・地域との租税条約の交渉・締結に際し、経済界の意見を取りまとめ、その反映に取り組んだ。
企画部会(部会長:筒井義信日本生命保険取締役専務執行役員)を中心に、有識者との意見交換を進め、提言「経済危機からの早期脱却と生活の安心・充実に向けた財政政策を望む」(2009年11月17日)を取りまとめた。
同提言では、(1)当面の予算編成にあたって、経済危機からの早期脱却・生活の安心と安全の確保・将来にわたる生活の充実に向けた投資という3つの視点を持つべきこと、(2)中長期的な課題として、財政健全化と地方税・財政制度の抜本改革に取り組むべきこと、(3)財政運営のプロセスに関して、特別会計への踏み込んだ見直し、透明度の高い予算編成・執行・決算プロセスに不可欠な電子行政の早期実現、財政健全化目標の策定等に取り組むべきこと、を訴えた。
委員会では、10月にIMFのコッタレリ財政局長を招いて、経済危機下の財政政策について説明を聞き、意見交換するとともに、企画部会で取りまとめた提言案を審議した。
また、税・財政・社会保障制度の一体改革を進める観点から、上記提言の趣旨を踏まえつつ、経済成長と両立した財政健全化の必要性を2010年4月に発表の成長戦略に盛り込んだ。
財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)に経済界からの委員が参画し、建議書の取りまとめにあたり意見表明を行った。
社会保障施策について、新政権との建設的な政策対話を深める観点から、提言「国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度を目指して」(2009年2月17日)を踏まえ、提言「安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて」(2009年10月20日)を取りまとめ、政府・与党に建議した。
また、企画部会(部会長:渡邉光一郎第一生命取締役専務執行役員)を中心に、年金改革部会(部会長:山崎雅男東京電力常務取締役)、医療改革部会(部会長:齊藤正憲三菱電機取締役)と連携を図りつつ、中福祉・中負担国家として目指すべき給付と負担のあり方、働き方の多様化を踏まえたセーフティ・ネット強化に向けた諸課題等、安心社会の実現に向けた具体策について検討を進め、この結果を、2010年4月に発表の成長戦略に盛り込んだ。
社会保障審議会等の審議会、各種研究会等において、経団連代表委員を通じ、中長期的に持続可能な制度へと社会保障制度の再構築を促す観点から、現役世代に過度な負担を求めない高齢者医療制度の確立、医療機関の機能分化と連携を通じた医療再生等を訴えた。また、診療報酬の2010年度改定に対応し、緊急性の高い分野への重点配分と薬価・医療材料価格へのイノベーションの適正評価を求め、改定に反映させた。さらに、確定拠出年金へのマッチング拠出の導入等、企業年金の拡充に向けて関係者に働きかけ、法案に反映させた。
この他、6月には、医療、年金、社会保険分野における規制改革要望を取りまとめ、関係省庁に実現を働きかけた。
委員会では、2009年6月に経済産業省の石黒憲彦審議官から、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の改正について説明を聞いた。
また、資本市場部会(部会長:武井優東京電力常務取締役)において、2009年5月に、東京証券取引所の静正樹執行役員から、第三者割当増資の規制等3月に取りまとめられた上場制度整備懇談会の報告書について説明を聞くとともに、忌憚のない意見交換を行った。政府の金融審議会金融分科会「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」、企業統治研究会に対応し、経済法規委員会と連携し、コーポレート・ガバナンスに関し検討を重ねた(その結果は、「より良いコーポレート・ガバナンスをめざして(主要論点の中間整理)」(2009年4月14日)を参照)。政府の検討結果を踏まえ、東京証券取引所において、「上場制度整備の実行計画2009」が取りまとめられたことから、11月に同部会で独立役員に関する開示制度の導入や、株主総会における議決権行使結果の公表等、「上場制度整備の実行計画2009」に基づく上場制度の整備等について説明を聞くとともに、上場制度整備等に関する経済界としての考え方を東証に提出し、意見の反映に努めた。さらに、金融庁から、前述の金融審スタディグループの報告を踏まえ、役員報酬の開示等に関する開示府令の改正案が公表されたことを受け、2010年2月22日に三井秀範企業開示課長を招いて説明会を行う等、その趣旨や目的について十分な説明を聴取した後、企業の意見を取りまとめ、意見を提出した。
2009年10月には、金融商品取引法の施行以来、毎年課徴金事例集を公表している証券取引等監視委員会の後藤健二課徴金・開示検査課長から、証券監視委員会の最近の取組みと課徴金事例について説明を聞き、企業としての対策等について意見交換を行った。
「2009年度日本経団連規制改革要望〜国民、企業の潜在能力を最大限発揮するために〜」には、金融・保険・証券分野からも10要望を提出し、行政手続の迅速化・簡素化等を求めた。
企画部会(部会長:八丁地隆日立製作所副社長)では、わが国企業のコーポレート・ガバナンスに関する議論の高まりを踏まえ、2008年9月から2009年3月にかけて、有識者からの意見聴取を重ね、コーポレート・ガバナンスに関する経済界としての考え方について検討を行った。その成果を提言「より良いコーポレート・ガバナンスをめざして(主要論点の中間整理)」(2009年4月14日)として取りまとめ、関係方面に働きかけを行った。また、金融庁や証券取引所におけるコーポレート・ガバナンスに関する各種規則等の改正につき、本提言の趣旨を踏まえ、金融制度委員会と連携して対応し、経済界の意見反映に努めた。さらに、法制審議会における会社法見直しの機運が高まったことを受け、法務省民事局の河合芳光参事官や、中央大学法科大学院の大杉謙一教授等より、会社法改正の論点につき説明を聞くとともに意見交換を行った。
事業報告や計算書類等の作成実務担当者の参考に供することを目的として、2009年3月27日公布の改正会社法施行規則、会社計算規則や、同年4月20日の財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令等を踏まえて、「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」(2009年12月28日)を作成・公表した。
企画部会では、民法(債権関係)に対する改正論議が高まったことを受け、2009年7月8日、民法(債権法)改正検討委員会の事務局長を務めた内田貴法務省民事局参与を来賓に招き、同検討委員会が取りまとめた「債権法改正の基本方針」について説明を聞くとともに、意見交換を行った。その後、法務省の法制審議会に民法(債権関係)部会が設置されたことを受け、企画部会のもとにワーキング・グループを設け、議論の進行に合わせて、意見交換を行った。さらに上記部会の経済界代表委員等を通じて、経済界の意見反映に努めた。
また、国際裁判管轄法制の整備については、法制審議会国際裁判管轄法制部会の審議に合わせ、法務省民事局佐藤達文参事官から説明を聞くとともに、上記部会の経済界代表委員等を通じて適宜経済界の意見の反映に努めた。その結果、2010年2月5日、法制審議会総会において「国際裁判管轄法制の整備に関する要綱」が承認され、2010年第174回通常国会に提出されることとなった。
さらに、法制審議会における「民法の成年年齢の引下げについての意見」(2009年10月28日)の取りまとめに際し、経済界の意見反映に努めた。
競争法部会(部会長:佐久間総一郎新日本製鐵執行役員)では、かねてより長年の課題である公正取引委員会の審判制度の廃止及び審査手続の適正化を求めて取り組んできたが、改めて提言「公正取引委員会の審判制度の廃止及び審査手続の適正化に向けて」(2009年10月20日)を取りまとめ、関係方面へ働きかけを行った。その結果、2009年12月9日、内閣府・経済産業省合同政策会議において、「独占禁止法改正等の基本方針」が決定され、(1)公取委の審判廃止、(2)処分前手続の充実化・透明化、(3)弁護士立会権等の審査手続の適正化について政府内の中立的な場における検討等を盛り込んだ独占禁止法改正法案が2010年第174回通常国会に提出されることとなった。
また、2009年6月に課徴金・排除措置命令の拡充や企業結合規制の緩和等が盛り込まれた独占禁止法改正法案が成立したことを踏まえ、その後実施された公取委の政令、規則、ガイドライン等の改正に関するパブリック・コメントに対し、競争法部会において意見を取りまとめ、経済界の意見反映に努めた。
さらに、2010年2月28日〜3月1日にかけてAPEC(アジア太平洋経済協力)CPLG会合(競争政策・規制緩和グループ)が開催されるにあたり、ABAC(APECビジネス諮問委員会)を通じて、経済界側からの要望として、競争法の執行手続の見直しおよび企業結合規制のあり方に関する官民対話を働きかけるとともに、当日は佐久間総一郎競争法部会長が民間代表として参加し、プレゼンテーションを行った。
消費者法部会(部会長:渡邉光一郎第一生命保険取締役専務執行役員)では、消費者庁の「集団的消費者被害救済制度のあり方に関する研究会」(2009年11月24日発足)での検討に対応し、2010年1月19日、消費者法部会を開催し、上記研究会の三木浩一座長(慶應義塾大学大学院教授)より、研究会における議論の動向等について説明を聞くとともに、健全な経済活動が阻害されるような制度設計がなされないよう、同研究会において経済界の意見反映に努めた。
また、2009年9月1日の消費者庁・消費者委員会発足に対応し、関係委員会と適宜連携しながら、消費者問題全般への対応に努めた。
2009年5月21日に開始した裁判員制度の実施記念講演会において、八丁地隆企画部会長が、司法制度改革の重要性及び経済界としての取組みについて講演した。また、法曹有資格者の活動領域に関する意見交換会(法科大学院協会、日本弁護士連合会、文部科学省、法務省)に、同年6月および2010年1月に事務局が出席し、法曹有資格者の活動領域の拡大に向けて、引き続き連携・協力することとなった。
企業会計部会(部会長:島崎憲明住友商事特別顧問)では、わが国が将来的に上場企業の連結財務諸表に国際会計基準を適用することを表明している中、主な会計基準について、経済界の意見を集約し、内外に対して積極的な意見発信や働きかけを行い、基準への反映に努めた。
また、市場関係者とともに、金融庁の支援を得て、「IFRS対応会議」を発足し、国際会計基準の導入にあたっての課題に民間レベルで主体的に取り組む体制を整備した。
さらに、国際会計基準の任意適用企業等におけるサポート、企業が負担する不必要な導入コストの抑制を目的とし、任意適用を検討している企業を中心に、四大監査法人、日本公認会計士協会及び企業会計基準委員会の協力のもと、「IFRS導入準備タスクフォース」を立ち上げ、具体的な検討を開始した。
全会員企業・団体を対象に実施したアンケート調査をもとに、関係委員会の協力を得て、14分野162項目にわたる「2009年度日本経団連規制改革要望」(2009年6月16日)を取りまとめ、規制改革会議をはじめ、政府・与党関係先に建議した。要望では併せて、規制改革の推進体制の強化や規制を不断に見直すための制度の充実等を求めた。
要望の取りまとめに当たっては、2009年6月に行政改革推進委員会を開催し、草刈隆郎議長はじめ政府の行政改革会議の委員計5名を招いて、意見交換を行ったほか、規制改革推進部会(部会長:小倉利之芙蓉総合リース会長)を計4回開催、宇賀克也東京大学大学院法学政治学研究科教授をはじめ学識経験者・政府関係者等と意見交換を行った。
要望の実現に向けては、2009年6月の政府の規制改革要望集中受付月間以降、内閣府の規制改革推進室等政府の関係方面に説明を行うとともに、各省庁の回答や対応を踏まえ再意見等の提出を行った。これらに加え、2009年9月に発足した鳩山内閣のもとで2010年1月から実施された「国民の声」の募集に対して、改めて規制改革要望を提出し、その実現を強く求めた。
公共サービス改革の推進に向け、政府の官民競争入札等監理委員会委員長である落合誠一中央大学法科大学院教授を招いて、規制改革推進部会の委員との意見交換を行った。
公務員制度改革の一環である官民人事交流を推進するため、2009年3月に、総務省、人事院、内閣府官民人材交流センター等とともに発足させた官民人事推進交流ネットワークの活動について会員に対して周知活動を行うとともに、総務省と人事院による「官民人事交流制度のさらなる活用に関する説明会」の開催(東京・10月22日、大阪・10月30日)に協力した。
新政権に対し、道州制の導入を働きかけるため、10月に緊急提言「改めて道州制の早期実現を求める」を取りまとめ、原口一博総務大臣をはじめ政府関係者に建議した。その結果、日本経団連と政府で道州制タスクフォースを設置し、道州制導入に向けた課題について議論を行うこととなり、第一回会合を、渡辺周 総務副大臣、小川淳也 総務大臣政務官、逢坂誠二 内閣府大臣補佐官の参加を得て12月に行い道州制について意見交換を行った。
シンポジウム、国民会議の開催
道州制導入に向けた国民的な議論を高めるため、10月に北海道経済連合会とともに札幌でシンポジウムを開催した。また、12月には、日本商工会議所、経済同友会と共催し、原口大臣はじめ政府関係者を招き、「地域主権と道州制を推進する国民会議」を開き、道州制の重要性について議論を行った。
広報活動の展開
道州制の意義について国民理解の増進を目的に、経済広報センターと協力して、漫画を活用した冊子「やっぱりいいね! 道州制」や、道州制標語を印刷したメモ帳、ポスター等を作成し、政府、経済界のみならず広く一般の方々に配付した。また、道州制について分かりやすく紹介するホームページも開設した。
地方関係者との対話
7月には大阪府の橋下徹知事と御手洗会長が「地域が強くなれば、日本が強くなる」と題して公開対談を行い、道州制の意義や導入に向けた課題について議論した。また、2月には、九州地域戦略会議(議長:金子原二郎 長崎県知事、松尾新吾 九州経済連合会会長)と懇談し、九州の検討する道州制について意見交換を行った。その他、各地で開かれた地方経済懇談会等を通し、現地の経済界関係者と道州制や地域主権に関して懇談を行った。
わが国の産業競争力の強化という観点から、産業人材の育成と確保に向けた検討を進め、提言「競争力人材の育成と確保に向けて」(2009年4月14日)を取りまとめ、政府の「高度人材受入推進会議」の報告書への提言内容の反映等を働きかけた。
また、企画部会を発展的に解消し、産業政策部会(部会長:伊東 千秋 富士通取締役副会長)を新設し、5〜10年後の産業の姿や、産業構造の変化、中長期的な産業競争力の強化の施策について検討を進め、1月に提言「産業構造の将来像」を取りまとめ、産業構造ビジョンや新成長戦略への反映を働きかけた。提言作成の一環として、7月にボストンコンサルティンググループの秋池玲子パートナー&マネージング・ディレクターを、1月に西村清彦 日本銀行副総裁を来賓に招き、委員会を開催した。
エンターテインメント・コンテンツ産業部会(部会長:依田巽ギャガ・コミュニケーションズ会長)では、「知的財産推進計画2009の策定に向けて」(2009年3月17日)で掲げた諸課題の実現を政府に働きかけ、知的財産戦略本部の「知的財産推進計画2009」への反映努めた。また、同計画に盛り込まれた施策の実現に向け、9月に部会を開催し総務省、経済産業省、文化庁と意見交換を行うとともに、映像産業振興機構およびコンテンツ・ポータルサイト運営協議会の運営、JAPAN国際コンテンツフェスティバルの開催等に協力した。
内閣官房長官の主宰する「高度人材受入推進会議」を通じ、政府の高度外国人材受け入れ促進に向けた議論に参画した。6月には内閣府の幹部から同会議の報告書について説明を聞くとともに、意見交換を行った。
また、外国人の入国・在留に関する規制改革についても積極的に取組み、企業内転勤の要件の見直しや、在留資格認定証明書交付手続の迅速化等の措置を実現した。
出入国管理及び難民認定法の改正については、7月に外国人材受入問題に関するワーキング・グループを開催し、法務省幹部から法改正の内容と今後の対応等について説明を聞くとともに、経済界の考えを伝えた。加えて、2月には、第4次出入国管理基本計画の内容や本年度に措置された規制改革について、法務省幹部と意見交換を行い、この議論を踏まえ第4次出入国管理基本計画のパブリック・コメントに対し意見を提出した。
「日本版ニューディールの推進を求める」(2009年2月9日) の実現のための活動の一環として、新たな需要創出につながる新産業・新事業創出に向けたプロジェクトの推進策を検討するため、企画部会(部会長:日出間公敬全日本空輸専務取締役執行役員)において、2009年9月から2010年2月にかけて、プロジェクト推進に携わる10の企業・団体より、ヒアリングした。それぞれのプロジェクトの進捗状況を確認するとともに、今後の推進に必要な施策を調査・検討し、報告書「新産業創出プロジェクトの推進に向けて〜2009年度報告」(2010年3月16日)を取りまとめた。
次代のわが国経済・産業を担う新産業や新事業の創出に向けた検討を深めるべく、委員会において、7月に前田昇青山学院大学大学院国際マネジメント科教授より、3月に丹羽清東京大学大学院総合文化研究科教授より説明を聞くとともに、意見交換を行った。
また、企業内ベンチャーに取組む企業に対する情報提供及び関係者の交流の場として、企業発ベンチャー推進協議会とともにセミナーを開催し、10月には大江建早稲田大学大学院商学研究科教授から説明を聞くとともに意見交換を行った。
「貿易手続改革プログラム」の改訂および実施に向けた働きかけ
政府の「貿易手続改革プログラム」(2007年5月)の改訂にあたり、経済界の意見を改めて取りまとめ、内閣官房、財務省、国土交通省、経済産業省に働きかけた。
その結果、渡副会長が参加する「貿易手続改革プログラムフォローアップ会合」が策定したプログラムの第2次改訂版(7月16日)には、認定輸出者による自己証明制度の見直しやAEO制度等保税・通関制度のあり方の継続的な見直し等が盛り込まれた。
また、プログラムを受けて、改正関税法施行によるAEO制度の拡充(2009年7月、認定製造者制度導入)や認定輸出者による自己証明制度の導入等が実現した。
港湾の国際競争力強化に向けた活動
「海洋国家日本の復権」の一環として、港湾の国際競争力強化に関する検討を行うため、長安国土交通大臣政務官のもとに設置されている「国際コンテナ戦略港湾検討委員会」、「国際バルク戦略港湾検討委員会」に参加した。また、交通政策審議会港湾分科会に丸山和博・物流部会長(東レ専務取締役)が委員として参加し、港湾政策に経済界の考えが反映されるよう働きかけた。
規制改革要望
道路、港湾、空港等をめぐる諸規制について、「オープンスカイ政策の実現」、「保税搬入原則の撤廃」等を中心とする運輸・流通分野の規制改革要望を取りまとめ、「国民の声」に提出する等その実現を図った。
中条潮慶應義塾大学商学部教授との懇談
国土交通省成長戦略会議の委員である慶應義塾大学商学部の中条潮教授との懇談会を開催し、国際通商ネットワークにおけるわが国の地位向上に向けた課題を中心に説明を聞くとともに意見交換を行った。
国際海上コンテナの国内輸送の安全性向上に関する法律制定に向けた政府の動きに対応して、提言「国際海上コンテナの安全輸送と物流円滑化に向けて」(2010年2月16日)を発表した。また、同法律制定に向けて、国際海上コンテナを牽引するトレーラーの事故を契機に12月、三日月国土交通大臣政務官を中心として物流関係者が参加する検討会が設置されたことから、日本経団連もこれに参加し、経済界の考え方を述べた。また、渡副会長、宮原委員長が前原国土交通大臣を、丸山部会長が三日月国土交通大臣政務官、近藤経済産業大臣政務官をそれぞれ訪問し、日本経団連の考え方を伝えた。その結果、安全確保と競争力強化の両立、法施行前の十分な準備と実証実験といった内容が盛り込まれた。
政府の新たな食料・農業・農村基本計画の策定(2010年3月)に向け、「わが国の総合的な食料供給力強化に向けた提言」(2009年3月17日)や上記提言公表以降のわが国農政の展開を踏まえ、提言「新たな食料・農業・農村基本計画に望む」(2010年2月16日)を取りまとめ、政府・与党関係先に建議した。
この過程では、2009年8月の当委員会で井出道雄事務次官ほか農林水産省幹部から食料・農業・農村基本計画の見直しや改正農地法について説明を聞き意見交換を行ったほか、計3回の委員会会合、計11回の部会の会合を開催、八木宏典東京農業大学教授をはじめ学識経験者・農業関係者・政府幹部からの意見聴取・意見交換を行った。
わが国の地域活性化と農業の競争力強化に向けた経済界と農業界との連携(農商工連携)のさらなる促進を図るため、2009年10月にJAグループと関西経済連合会との共催で「農商工連携セミナー」を開催し、企業の先進的な取組み事例の紹介及び交流会を実施、関係者(農業界・経済界等)の理解と交流を深めた。
また、2009年11月には、渡辺副会長ほか当委員会幹部等14名が、山形県酒田市及び遊佐町の農業現場数か所を視察するとともに、現地の農業関係者等との意見交換会を実施し、農業界との相互理解を深めた。
魅力ある都市の構築に向けた課題、方策等について、2009年2月以降、企画部会(部会長:平井茂雄新日本石油取締役常務執行役員)のもとで検討を進めてきた。加えて、政府の新成長戦略策定の動きに対応し、具体的な施策を提言すべく検討を行った。2月、企画部会で、大江匡プランテックアソシエイツ会長兼社長より、3月、委員会で、安昌寿日建設計副社長より、今後の都市政策のあり方について説明を聞いた。その結果を踏まえ、提言「わが国の持続的成長につながる大胆な都市戦略を望む」(2010年3月16日)を取りまとめ、新成長戦略への反映に努めた。
PFI推進部会(部会長:宇喜多晴郎清水建設副社長)では、PFI法改正の動きに対応して、5月、内閣府より説明を聞くとともに、部会意見を取りまとめ、与党に働きかけを行った。また、内閣府PFI推進委員会における標準契約策定の動きに対応して、8月、部会を開催し、内閣府より説明を聞くとともに、部会意見として「PFI事業契約の条項例(案)に対する意見」(2009年10月8日)、「『PFIに関する公開意見募集』に対する意見」(2009年12月25日)を取りまとめ、内閣府に提出するとともにその実現方を働きかけた。
さらに、新政権においてPFIの拡大に向けた制度改革が実現するよう、10月の部会(来賓:江口直明弁護士)、委員会(来賓:青山やすし明治大学公共政策大学院教授)を経て、提言「PFIのさらなる活用を求める」(2009年11月17日)を取りまとめた。また、2010年2月、部会を開催し、国土交通省成長戦略会議委員である福田隆之野村総合研究所副主任研究員より説明を聞いた。
今後の国土交通行政を巡って、国土交通省の総合政策局(2009年7月)、河川局(2009年9月)とそれぞれ懇談会を開催した。
委員会において、大西東京大学大学院工学系研究科教授(10月20日)より地域活性化のための観光の活用策について、溝畑観光庁長官(2月3日)より観光政策の現状と今後の方向性について説明を聞くとともに、今後の観光行政について意見を交換した。
また、企画部会(部会長:生江隆之三井ホーム社長)に、岩城観光庁総務課企画室長(10月16日)、戸崎早稲田大学教授(11月10日)、矢ヶ崎観光庁参事官(11月17日)、和田観光庁観光資源課長(11月24日)、小沢立教大学教授(12月8日)、メイエールフランス観光開発機構在日代表(1月27日)を招き、観光人材の育成に関する検討を行った。
上記委員会、部会での議論を踏まえ、提言「観光立国を担う人材の育成に向けて〜産学官の連携強化を〜」(2010年2月16日)を取りまとめ、政府・与党他関係先に建議・送付した。
政府の新成長戦略策定の動きに対応して、観光産業のさらなる成長に向けた検討を行った。2010年3月、企画部会を開催し、井上愛知県立地観光監より、愛知県の観光振興策について説明を聞くとともに、提言「わが国観光のフロンティアを切り拓く」(案)について意見交換を行った。
11月4日、東京で、韓国の全経連観光産業特別委員会と「第4回日韓観光協力会議」を開催し、両国企業の協力事例について報告し意見交換した。その結果、人材交流やノウハウの移転、日韓中の北東アジア観光ゾーン形成に向けた、観光インフラの整備等の推進に合意した。
4月21日、佃副会長、大塚観光委員長、生江企画部会長が「観光立国に関する官民協議会」に参加し、関係省庁間の施策の重複や無駄を排した本格的な観光政策の構築、21世紀のリーディング産業としての観光の育成を訴えた。
7月、企画部会(部会長:立花貞司トヨタ自動車専務取締役)を開催し、坂本雄三東京大学大学院工学系研究科教授より、住宅における温暖化対策について講演を聞くとともに意見交換を行った。また、7月、委員会を開催し、国土交通省住宅局より、住宅政策の現状と課題について説明を聞いた。
その結果も踏まえ、委員会としての提言「平成22年度住宅・土地税制改正に対する要望」(2009年7月30日)を取りまとめた。本提言の概要は「平成22年度税制改正に関する提言」(2009年10月2日)に盛り込んだ。
これらの提言については、国土交通省の馬淵副大臣、三日月大臣政務官との懇談会(2009年10月)、前原国土交通大臣との懇談会(2009年10月)等で実現を働きかけた結果、2010年度税制改正では、新築住宅に係る固定資産税の減額、居住用財産の譲渡・買換えに関わる特例措置をはじめ、日本経団連の要望が実現した。
政府の新成長戦略策定の動きに対応して、住宅産業のさらなる成長に向けた検討を行った。2010年2月、企画部会を開催し、内閣官房国家戦略室より、住宅分野の成長戦略について説明を聞くとともに意見交換を行った。また、3月、委員会を開催し、国土交通省住宅局より、住宅政策の現状と課題について説明を聞いた。その結果も踏まえ、提言「住生活の向上につながる成長戦略を求める」(2010年3月16日)を取りまとめ、新成長戦略への反映に努めた。
政府の第4期科学技術基本計画の策定に向け経済界の意見を反映すべく、「科学・技術・イノベーションの中期政策に関する提言」(2009年12月15日)を取りまとめ、関係方面に建議した。その一環として、川端達夫文部科学大臣との懇談会を11月に開催した。
また、奥村直樹総合科学技術会議議員、鈴木正徳経済産業省産業技術環境局長との懇談、文部科学省科学技術・学術審議会基本計画特別委員会における東実科学技術政策部会長(東芝顧問)による意見陳述等を行った。
わが国の中長期的な成長力強化を図るべく、提言「『世界最先端研究支援強化プログラム』(仮称)の創設について」(2009年4月6日)と「『世界最先端研究開発支援強化プログラム』(仮称)の執行に係る枠組みのあり方について」(2009年4月17日)を取りまとめ、関係方面に働きかけを行った結果、政府の第1次補正予算において、総額1,500億円規模の「世界最先端研究開発支援プログラム」の創設を実現した。
6月に京都で第8回産学官連携推進会議を、内閣府、日本学術会議等と共催した。産学官連携推進部会を8月と2010年2月に開催し、文部科学省と産学官連携施策に関する意見交換を実施。
経済産業省施策「つくばナノテク拠点形成」に関連し、「つくばナノテクノロジー拠点運営最高会議」に中鉢産業技術委員会共同委員長が参画、同拠点形成を経済界として支援。
政府のイノベーション政策の司令塔機能の強化を図るべく、「科学・技術・イノベーション政策の司令塔機能に関する意見」を2010年2月に取りまとめ、関係方面に働きかけを行った。
当委員会では、わが国のイノベーション・システムのあるべき姿を検討し、新たなイノベーション創出に向けた知的財産政策の推進に努めた。
提言の取りまとめと知財関係者との対話の促進
政府の「知的財産推進計画2009」の策定に向け、3月に取りまとめた「『知的財産推進計画2009』の策定に向けて」の実現を働きかけた。また、企画部会等で明治大学法科大学院の高倉成男教授、東京大学の小川紘一特任教授、知的財産研究所の大森陽一専務理事、東京大学の渡部俊也教授からヒアリングを行い、提言「『イノベーション立国』に向けた今後の知財政策・制度のあり方」を2010年3月に取りまとめた。
委員会では、7月に近藤賢二知的財産戦略推進事務局長、内山俊一次長と、3月には東京大学の渡部俊也教授と意見交換を行った。
模倣品海賊版拡散防止条約(ACTA)締結へ向けた取組について
現在賛同国間で協議が進められているACTA締結に向けた協議の進捗状況について、6月に経済産業省通商機構部の山本信平国際知財制度調整官と意見交換を行った。
営業秘密管理指針再改訂への対応
経済産業省の営業秘密の管理に関するワーキング・グループでは、不正競争防止法の改正に伴い、営業秘密管理指針の再改訂に向けた検討が行われた。そこで、経済界を代表する委員を通じて経済界の意見を反映するよう働きかけを行うとともに、2010年1月には経済産業省政策局知的財産政策室の中原裕彦室長と意見交換、2月のパブリック・コメントの実施に対して意見を提出した。
生物多様性条約締約国会合への対応
第10回生物多様性条約締約国会合(COP10)が2010年10月に名古屋で開催されることに先立ち、2月に経済産業省製造産業局の後藤芳一次長、同局生物化学産業課の竹廣克課長補佐と意見交換を行った。
6月にチャック・アダムス米国電気・電子学会標準化委員会会長他IEEE(米国電気電子技術学会)メンバーとの意見交換を実施した。「経営戦略と国際標準化」「次世代エネルギーシステムの国際標準化」をテーマに、経済産業省の中西宏典基準認証政策課長と、12月、2010年2月に意見交換を実施した。国際標準化戦略部会委員から各社の取組みについてヒアリングを実施、共通認識の醸成に努めた。
2010年2月に著作権部会において、著作権法をめぐる現状と今後の展望について文化庁の永山裕二著作権課長と意見交換を行った。
政府による2015年を展望した中期IT戦略の検討に対応し、経済界の考え方を取りまとめ、提言「新IT戦略の策定に向けて」(2009年5月12日)を公表し、関係方面に働きかけを行った。さらに政府新戦略案のパブリック・コメント募集に対し、情報化部会(部会長:遠藤紘一リコー副社長)で検討を行い6月に意見を提出した。
政権交代後、政府は改めてIT戦略を取りまとめるべく検討を開始した。そこで情報化部会が中心となって、電子行政の推進や環境・エネルギー分野でのICTの利活用を経済成長に結びつけること等を求め、提言「新しい社会と成長を支えるICT戦略のあり方」(2010年3月16日)を取りまとめ、政府IT戦略本部をはじめとする関係方面への積極的な働きかけを行った。
高度情報通信人材育成部会(部会長:重木昭信NTTデータ顧問)では、筑波大学及び九州大学を重点協力校として選出し、経済界からの教員派遣、企業の現場に即した教育プログラム、インターンシップの実施等の支援を続けている。産学官連携による確固たる人材育成体制が整備されるまでの間、これらの活動を継承する目的で、8月、有志企業により特定非営利活動法人高度情報通信人材育成支援センターが設立された。高度情報通信人材育成部会では12月にこれまでの取組みならびに支援ノウハウ等を取りまとめ、経済界による今後の支援活動の参考となるよう公表した。
ブロードバンドの普及やコンテンツのデジタル化により通信と放送の融合が進む中、通信・放送政策部会(部会長:前田忠昭東京ガス副社長)では、新たなサービスの創出を妨げない法体系を構築するよう、政府情報通信審議会が取りまとめた答申案に対し、7月にコメントを提出する等の活動を行った。概ね経済界の意見を反映した新たな法律案が国会に提出された。
6月に、周波数の割当てや電気通信分野の国際標準、規制を行う国際電気通信連合(ITU)のトゥーレ事務局長との懇談会を開催した。
また、インターネット社会が抱える諸問題を自由に議論する場として国連が設置したインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)の第4回会合に際し、国際問題部会(部会長:加藤幹之富士通顧問)では、8月に経済危機からの脱却や地球環境問題へのICTの貢献に係る議論の深化を求める意見を提出した。
9月に発足した新政権が目指す、行政の無駄の排除や子ども手当の支給といったきめ細かい政策を、ICTを活用して効率的に実現し、国民にとって利便性が高く透明な行政を確立するよう、電子行政推進部会(部会長:遠藤紘一リコー副社長)が中心となって検討を行い、提言「ICTの利活用による新たな政府の構築に向けて」(2009年11月17日)を取りまとめた。
真に国民視点に立った電子行政を確立するよう、12月に各界から450名が一堂に会し、電子行政シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、長谷川憲正総務大臣政務官からの挨拶のほか、津村啓介内閣府大臣政務官をはじめとする様々な立場のパネリストによるパネルディスカッションが行われた。
また、パンフレット「電子行政が創る国民本位の新たな政府の姿」を作成の上、電子行政シンポジウムや地方経済懇談会で配布し、国民世論の喚起を行った。
10月に開催した原口一博総務大臣との懇談会において、原口大臣より、総務省と日本経団連から成る電子行政タスクフォースを設置し、検討を進めることが提案された。12月には、総務省内藤正光副大臣、長谷川憲正大臣政務官、日本経団連秋草直之電子行政推進委員長、遠藤紘一電子行政推進部会長ほかの出席により第1回タスクフォースが、また2010年2月には第2回タスクフォースが開催され、電子行政推進に関する意見交換が行われた。
政府の「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」に関して、資源エネルギー庁から、委員会において4月に説明を聞いた。
政府の新成長戦略や科学技術中期計画の策定に対して意見反映をはかるため、2010年4月に、「総合的な海洋政策の実施に向けた提言」を取りまとめることとし、12月に委員会において、東京大学生産技術研究所海中工学国際研究センターの浦環教授から、今後の海洋開発利用について説明を聞いた。さらに、12月から総合部会(部会長:山脇康日本郵船代表取締役副会長)において、海洋開発をめぐる国際法上の課題、海洋の安心・安全の確保、海洋を利用するCO2貯留・隔離技術、海洋分野における技術開発をめぐる課題等について、有識者からのヒアリングを重ねた。
また、民主・自民・公明の関係議員と、元山委員長をはじめ有識者で構成する海洋基本法フォローアップ研究会を通じて、経済界の意見反映に努めた。
「グリーン・イノベーションによる成長の実現を目指して」(2010年3月)の取りまとめ
6月に取りまとめ予定の政府の「新成長戦略」の環境・エネルギー分野に焦点をあて、「グリーン・イノベーションによる成長の実現を目指して」を取りまとめ、政府・与党など関係方面に建議した。
環境省首脳との意見交換(11月)
御手洗会長はじめ副会長、評議員会副議長ほかと小沢鋭仁環境大臣はじめ環境省政務三役・幹部との懇談会を開催し、地球温暖化、循環型社会形成、生物多様性等の問題に関して意見交換を行った。
ポスト京都議定書の国際枠組構築に向けた取組み
地球環境部会(部会長:猪野博行東京電力副社長)が中心となり、ポスト京都議定書の国際枠組のあり方等について、関係方面に様々な働きかけを行った。
5月、COP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)議長国デンマークのコニー・ヘデゴー気候変動エネルギー大臣が来日した際、COP15に向けた議長国としての取組み等について説明を聞くとともに、日本産業界の考えや取組みの有効性等を訴えた。このほか、各国から来訪した政府・経済団体要人と国際枠組のあり方等について懇談し、産業界の見解等を積極的に発信した(12月:スレーシュ・プラブインド産業連盟持続可能性審査委員長、2010年2月:エイドリアン・メイシーNZ気候変動大使、3月:アルトゥル・ルンゲ=メッツガー欧州委員会主席交渉官)。
9月、米国商業会議所主催のラウンドテーブル(於:ワシントン)において、ポスト京都議定書の国際枠組に関するわが国産業界の立場を説明するとともに、エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国ビジネスフォーラム共同宣言を採択した(桝本晃章環境安全委員会アドバイザー出席)。
小沢環境大臣の求めに応じて、COP15(12月、於コペンハーゲン)に坂根委員長はじめ委員会幹部が参加し、小沢環境大臣、増子輝彦経済産業副大臣、大谷信盛環境大臣政務官、樽床伸二衆議院環境委員長等、政府関係者等との懇談を通じて、働きかけを行った。また、ポスト京都議定書の国際枠組の構築に向け、連合幹部と意見交換を行った。さらに、欧米や中国、インドなどの経済団体とともに「主要経済国ビジネスフォーラム」に参加し、すべての主要経済国が参加する国際枠組や技術革新、知的財産権保護等の重要性を謳った共同声明を採択した。
ポスト京都議定書におけるわが国中期目標や国内対策等に関する働きかけ
政府による中期目標設定に向けた検討の動きに合わせて、「ポスト京都議定書におけるわが国の中期目標に関する意見」(2009年5月12日)や「ポスト京都議定書におけるわが国の中期目標について」(2009年6月8日)を取りまとめるとともに、猪野部会長を中心に、関係各方面に対する働きかけを行った(4月:政府意見交換会、5月:自民党エネルギー戦略合同部会、自民党経済産業部会、自民党地球温暖化対策推進本部、6月:御手洗会長の麻生太郎首相訪問)。
また、政府内で地球温暖化対策税や排出量取引制度の導入等を含む「地球温暖化対策基本法案」に関する検討が本格化する中、「『地球温暖化対策の基本法の制定に向けたメッセージ』に対する意見」(2009年12月28日)を環境省に提出するとともに、小林正明大臣官房審議官ほか環境省幹部との懇談会を開催し、法案に対する産業界の懸念等、率直な意見交換を行った。さらに、日本商工会議所、経済同友会と共同で、「地球温暖化対策基本法案に関する意見」(2010年2月23日)を取りまとめ、関係方面に働きかけを行った。
産業界の温暖化対策の着実な推進
現在の自主行動計画に続く新たな計画として、「日本経団連低炭素社会実行計画」を取りまとめ、公表した。実行計画では「2050年における世界の温室効果ガスの排出量の半減目標の達成に日本の産業界が技術力で中核的役割を果たすこと」を共通のビジョンとして掲げ、これまでに培った世界最高水準の優れた技術力をさらに強化し、問題解決に積極的に貢献していくこととしている。
環境自主行動計画2009年度フォローアップ調査を実施し、11月に結果を公表した。本年度は、産業・エネルギー転換部門34業種におけるCO2排出量について、1990年度比10.5%減少との結果を得た(なお、電気事業者が京都メカニズムクレジットを約6,400万t-CO2償却したことにより、償却しなかった場合と比較すると、約1,568万t-CO2(2008年度のCO2排出量の約3.5%に相当)減少している。)。また、外部有識者による第三者評価委員会が12月〜3月に計5回の会合を開催し、透明性・信頼性向上のための課題等につき、評価報告書を取りまとめた。
クールビズ等夏季の国民運動の開始時期である6月に、環境自主行動計画への取組み、オフィスでの省エネ、顧客や従業員への働きかけ等について、会員企業に協力を要請した。日本経団連においても冷暖房の調節等を実施し、事務局では例年通り、8月に1時間の繰り上げ勤務を実施した。
政府関係者・学識経験者等との懇談(以下は全て委員会会合)
自主行動計画(循環型社会形成編)のフォローアップ
本年度は41業種が参加し、2008年度の産業廃棄物最終処分量や業種毎の3Rの取組み状況等を調査した。2010年4月にフォローアップ調査結果を公表した。
廃棄物処理法の見直しへの対応
廃棄物処理法の見直しを検討している中央環境審議会廃棄物処理制度専門委員会において、吉川廣和廃棄物・リサイクル部会長(DOWAホールディングス会長)が委員として参画し、産業界の意見反映を図った。このほか、適宜、廃棄物・リサイクルワーキング・グループ(座長:澤田寿郎スラグ事業推進部長)を開催し、環境省と懇談するとともに、産業界としての対応について検討を行った。
また、7月に、廃棄物・リサイクル部会を開催し、環境省の坂川産業廃棄物課長を招き、廃棄物処理制度専門委員会報告書(案)について説明を聞くとともに懇談した。
不法投棄等の支障除去等に関する基金への対応
2007年3月の環境省との共通理解に基づき、本年度も、12月に環境省を招いて説明会を開催したうえで、本基金に協力した。
また、環境省の「支障除去等に関する基金のあり方懇談会」に参画し、10月に取りまとめられた懇談会報告書において、基金への積み増し期間は2012年度までとするなど、産業界の意見反映に努めた。
11月、廃棄物・リサイクル部会を開催し、早稲田大学の大塚直法学部教授を招き、今後の支障除去等事業のあり方について説明を聞くとともに懇談した。
PCB汚染重電機器の安全かつ合理的な処理方法の検討
7月、低濃度PCB対策ワーキング・グループ(座長:影山嘉宏東京電力環境部長)を開催し、環境省の坂川産業廃棄物課長を招き、廃棄物処理法施行規則ならびにPCB廃棄物処理基本計画の一部改正について説明を聞くとともに懇談した。
低濃度PCB機器の合理的な処理の促進等については、適宜、検討を行うとともに、環境省に対して政府に働きかけた。
また、日本環境安全事業株式会社(JESCO)北九州事業所において、PCB汚染物の処理を行うプラズマ溶融分解設備の稼働が開始されたことを受け、7月14日、JESCOの佐野管理部長を招き、JESCOの今後の事業運営等について説明を聞くとともに懇談した。
容器包装リサイクル法に関する提言(2005年10月)のフォローアップ
12月に懇談会を開催し、経済産業省から容リ法を巡る諸課題について説明を聞くとともに、3R推進団体連絡会より「容器包装の3R推進に係る自主行動計画フォローアップ調査結果」の報告を受けた。
土壌汚染対策法改正問題への対応
政府が進める土壌汚染対策法改正については、かねてより、人の健康被害の防止を確保しつつ企業活動に対する過度な規制とならない法改正(自主的な調査の報告範囲の適正化や例外措置の導入等)を求めており、最終的な改正法は、概ね合理的な内容となった。環境管理ワーキング・グループでは、引き続き、施行令等が合理的なものとなるよう働きかけるとともに、4月22日には、改正法に関するセミナーを開催した。
環境影響評価(アセスメント)法改正への対応
環境影響評価(アセスメント)法については、法施行後10年経過後に見直すとの規定に基づき、中央環境審議会環境影響評価制度専門委員会において検討が行われてきた。同専門委員会は、2010年1月、民間による事業も対象として、戦略的環境アセスメントを導入することを提案する報告書(案)を取りまとめ、パブリック・コメントに付した。そこで、環境管理ワーキング・グループにおいて、同報告書(案)について、環境省から説明を聞くとともに、2月15日、民間事業については、戦略的環境アセスメントの対象とすべきではない旨のコメントを提出した。
閉鎖性海域中長期ビジョン(案)への対応
環境省は、さる1月28日、閉鎖性海域に関し、現在の規制をそのままにしつつ、新たな水質目標として、底層DO(溶存酸素)及び透明度を指標とすることを提案する「閉鎖性海域中長期ビジョン(案)」を取りまとめ、2月11日を締め切りとしてパブリック・コメントを実施。そこで、環境管理ワーキング・グループにおいて、同ビジョン(案)について、環境省から説明を聴取するとともに、新たな水質指標を導入する以前に、現在の規制のあり方の妥当性を再検討すべき旨のコメントを提出した。
2010年度規制改革要望を取りまとめ、6月に政府に要望、実現を働きかけた。
危険物・防災・保安分野は、技術開発の進展等に規制の緩和が可能となった分野、規制があるために、かえって安全性確保の妨げとなっている分野を中心に要望を取りまとめた。また、保安諸規制の合理化・整合化の観点から、重複規制の抜本的な解消について、昨年度に引続き要望した。
廃棄物・環境保全分野では、廃棄物処理法を中心に、欠格要件や許可手続の簡素化・電子化や特例制度の拡充などの規制改革要望をまとめた。
政府が、太陽光発電やエコカー、省エネ家電等の普及拡大を目指す「低炭素革命」を柱に据えた「未来開拓戦略」を本年4月に取りまとめたのを受け、7月24日、企画部会を開催し、資源エネルギー庁の伊藤総合政策課長から「省エネ・新エネ政策の今後の展開等について」について説明を聞くとともに懇談した。
また、9月18日には、企画部会において、麻生政権下において政府が中期目標を決定したことを受けて再計算された「長期エネルギー需給見通し」について、石崎資源エネルギー庁政策企画室長から説明を聞くとともに懇談した。
2010年3月4日には、2月から検討が開始されている「エネルギー基本計画」の見直し作業について、資源エネルギー庁の高橋総合政策課長から説明を聞くとともに懇談した。
10月、わが国の優れた省エネ・新エネ技術を官民連携して世界に普及するための組織として設立された世界省エネルギー等ビジネス推進協議会の設立総会が開催され、御手洗会長が本協議会の会長に就任した。
7月24日に開催した資源・エネルギー対策委員会企画部会において、国際的なレアメタル需給逼迫を受け2009年12月から検討を行っている「レアメタル問題打合会」の活動状況を報告した。
6月、各種エネルギー供給事業の効率化・活性化に向けて、エネルギー分野に係る規制改革要望を取りまとめた。
日本経団連の活動に関する国内外への広報が積極的かつタイムリーに行われるように努めた。
10月の「企業倫理月間」に先立ち、9月の理事会において御手洗会長から全会員に「企業倫理徹底のお願い」を呼びかけるとともに、10月には企業倫理トップセミナーならびに関西企業倫理セミナーを開催した。11月、12月には企業倫理担当者研修会を実施した。
企業経営の中でのCSRの位置づけや実践状況、推進上の課題等を把握すべく、5〜7月に全会員企業を対象に「CSRに関するアンケート調査」を実施し、9月に調査結果を取りまとめた。同調査結果により、CSRは企業経営の根幹をなすものとして既に定着しており、昨年来の世界的な経済危機下にあってもその取組み姿勢は変わらないこと等が明らかになった。
5月の消費者庁設置関連3法の成立にあたり、経済界の考えが反映されるよう働きかけるとともに、6月に野田聖子消費者行政推進担当大臣との懇談会を開催し、消費者行政のあり方等について意見交換を行った。
9月の消費者庁・消費者委員会の設立後は、パブリック・コメントへの対応や消費者委員会の池田弘一委員(アサヒビール会長)を通じて、消費者と事業者とのWIN−WIN関係の構築と実効ある消費者政策の推進を消費者庁や消費者委員会に対して訴えた。9月3日開催の当委員会において消費者問題に対する日本経団連の基本的な考え方を整理し、9月の理事会で報告した。さらに消費者政策に係る検討体制を整えるため、「消費者政策部会」(部会長:室町正志東芝副社長)を創設し、3月に消費者庁幹部を招き第1回会合を開催した。
社会的責任経営部会(部会長:鍛治舍巧パナソニック常務役員)では、ISO対応チーム(座長:鈴木均日本電気CSR推進部長)を中心に、ISOの「社会的責任に関する手引(ISO26000)」の利便性と完成度の向上に取り組んだ。具体的には、国内委員会における議論をリードするとともに、ISOワーキング・グループ第7回総会(2009年5月、於ケベック)において建設的な提案を行う等、社会的責任の国際レベルでの規格化推進に貢献した。
「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議」に行政、消費者団体、労働組合、NPO・NGO、金融等のステークホルダーととも参画し、「協働戦略の策定に向けた作業計画」等を策定した。
また、日本経団連会員に係る不祥事の報告を受けるとともに、会員からの問い合わせに応じてコンプライアンス体制の構築・改善に向けた助言を行った。
塚本一郎明治大学経営学部教授から「英国・米国における社会貢献ビジネスの動向」について(7月)、川北秀人IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者から「社会的課題の中期展望と課題解決に果たすべき企業の役割 :社会責任は、社会のためでなく、自社のためにこそ、果たす意義がある −日本と世界の2020年を俯瞰して−」について(12月)それぞれ説明を聴き、グローバルな社会的課題に向けて企業の果たすべき役割、社会問題の解決にビジネスの手法で取り組む社会起業家との連携について、意見交換した。
社会貢献担当者懇談会(座長:嶋田実名子花王CSR推進部長兼社会貢献部長)では、当委員会の活動方針の再定義、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議の活動等をテーマに、実務担当者の会合を3回開催した。
2008年度の社会貢献活動の実績(支出額、意識等)について調査し、12月に公表した。
(一社)日本経団連事業サービスと連携し、社会貢献基礎講座を実施した。
政策本位の政治の実現に向け、会員企業に対して、企業の重要な社会貢献として自発的な政治寄付を実施するよう呼びかけた。
政党の政策責任者等との間で会合を開催し、重要政策課題をめぐり意見交換を行った。また、第45回衆議院選挙(8月30日)を控えた8月には、自由民主党、民主党、それぞれと政権公約説明会を開催した。
政治情勢、政治資金等に関する情報収集等を実施した。
社会総がかりでの教育支援が求められるなか、教育と企業の連携推進ワーキング・グループ(座長:小川理子パナソニック理事社会文化グループ・ゼネラルマネージャ)では、横浜市教育委員会と連携し、横浜市内の市立小中学校5校で連携授業等を行った。
3月には、過去3年度の取組みを総括すべく、ワーキング・グループとして第二次取りまとめを行った。
若者が社会人に求められる基礎的な知識や力を十分に持たないまま就職しているとの危機感を受け、3月、安西中央教育審議会大学分科会長(慶應義塾大学前塾長)ほかを招き、中教審の取組み等について聞くとともに、企業と教育界の取組みの方向性等について意見交換した。
小学校で2011年度から、中学校で2012年度から実施される新学習指導要領では、キャリア教育を実施することになっている。2009年2月に中央教育審議会にキャリア教育・職業教育特別部会を設置されて以来、同部会委員に就任した藤江一正企画部会長(日本電気特別顧問)を通じて経済界の意見反映に努めている。また、12月には中央教育審議会大学分科会質保証システム部会において、大学教育に関する経済界の期待と、大学がどこまでキャリア・ガイダンスに取り組むことが望ましいか等について意見陳述した。さらに3月には、同キャリア教育・職業教育特別部会において、教育と企業の連携推進ワーキング・グループの第二次取りまとめを発表し、教育現場における教育と企業の連携の難しさや実施に移した場合の効果について指摘した。
東京都教育庁からの民間企業出身者の校長への推薦依頼に対応し、企画部会において2008年度に日本経団連が推薦した都立橘高校の中村校長から赴任後の状況を聞くとともに、会員企業に推薦を依頼した(7月)。その結果、都立高校1校の校長に会員企業社員の採用が決定した(10月)。
2009年度は、主に提言「首都直下地震にいかに備えるか」(2009年3月)の実現にむけた活動状況の点検を行った。具体的には、提言で取りまとめた「企業に求められる地震対策の10箇条」((1)災害対策本部の体制整備と機能強化、(2)社員とその家族の安否確認手段の多層化、(3)実践力向上に資する訓練の継続的実施、(4)全社員の防災意識の向上と社内人材育成の推進、(5)適正な備蓄品目の選定と備蓄量の確保、(6)施設の耐震化・不燃化と什器の固定の促進、(7)流動性資金と復興資金の確保、(8)サプライチェーンへの支援と連携強化、(9)社内外の帰宅困難者に関する取組みの促進、(10)地元自治体や地域との積極的な連携強化)について、企業における対策の進捗状況を把握すべく、9月に首都直下型地震対策ワーキング・グループ(座長:岩波秀樹JFEホールディングス専務執行役員)のメンバーを対象にアンケート調査を行った。
調査結果によると、「(4)全社員の防災意識の向上と社内人材育成の推進」、「(5)適正な備蓄品目の選定と備蓄量の確保」についてはほとんどの企業で対策が進んでいる一方で、「(7)流動性資金と復興資金の確保」については4分の1程度の企業の取組みにとどまった。
9月15日に首都直下型地震対策ワーキング・グループを開催し、本調査結果を報告するとともに、埼玉県から帰宅困難者対策の取組みについて説明を聞くとともに、民間と行政の役割分担について意見交換を行った。
本年度は3回の会合(2009年9月1日、11月24日、12月18日)を通じて、春季労使交渉・協議における経営側の基本姿勢と雇用・労働に関する諸問題に対する考え方について総合的に検討し、「2010年版経営労働政策委員会報告」を取りまとめた(2010年1月19日公表)。
「危機を克服し、新たな成長を切り拓く」を副題とする本報告では、グローバル化の進展や国際競争の激化等によって、わが国経済の地位が相対的に低下するなか、経済危機からの早期脱却と新たな成長・発展を図るため、企業活力を最大限に発揮することを基軸とした経済政策の展開が不可欠であるとした。また、雇用の安定・創出に向けて、セーフティー・ネットの強化等労働市場の基盤整備を求める一方、将来の成長へとつなげる視点から、中堅リーダー職(中間管理職)を軸とした人材力の底上げが重要であることを強調した。
今次労使交渉における経営側の基本姿勢については、昨年に引き続き、賃金より雇用を重視した交渉の重要性を訴え、経営者として最大の経営資源を守るという観点に立ち、雇用の確保に努めることが強く求められるとした。
その上で、厳しい経営環境下における総額人件費決定のあり方については、賃金カーブを維持するかどうかについて、労使が実態に即して話し合い、判断すべきであると指摘した。また、需給の短期的変動等による一時的業績変動は、賞与・一時金に反映することを基本とした上で、企業収益をめぐる環境に大幅な改善がみられない状況の中では、前年同様、厳しい業績結果を反映したものとする企業が多いとの見通しを示した。さらに、ベース・アップについては、困難と判断する企業が多数にのぼる見込みであるとした。
雇用政策部会(部会長:橋本浩樹王子製紙取締役常務執行役員)を中心に、以下の活動を行った。
労働者派遣制度見直しへの対応
厚生労働省労働政策審議会労働力需給制度部会における労働者派遣制度の見直しの審議に際し、多様な働き方の選択肢を維持・確保していくことの重要性や、企業側・労働側双方のニーズを踏まえ、使用者側の意見を主張し、経済界への影響を最小限にとどめるよう取り組んだ。
雇用保険制度見直しへの対応
労働政策審議会雇用保険部会における適用範囲の拡大や財政基盤の強化等を内容とする雇用保険制度の見直しの審議にあたり、雇用のセーフティ・ネット機能の拡充を求めつつ、モラルハザードの回避や健全な財政運営の確保等の必要性を主張した。また、雇用保険二事業の財源不足の中で、雇用調整助成金等の必要な財源を確保するため、暫定的な措置として失業等給付の積立金からの借入れを行うにあたり、二事業全体の見直しと効率的な運営について主張した。
新卒採用検討ワーキング・グループ(座長:橋本浩樹王子製紙取締役常務執行役員)での検討を踏まえ、「大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」(2009年10月20日)を公表した。その際、倫理憲章本体に「広報活動であることの明示」の項目を追加するとともに、早期開始を自粛すべき選考活動を明確化する観点から、賛同企業の理解を深めるための「参考資料」を作成・周知する等、就職採用活動の早期化・長期化の是正に向けて必要な見直しを行った。
また、「倫理憲章の趣旨実現をめざす共同宣言」(2010年1月8日)を発表し、会員企業に対して倫理憲章への賛同を求める等広く周知を図った。
さらに、新規学卒者の内定率の大幅な低下等を踏まえ、日本労働組合総連合会と共同で「若年者の雇用安定に関する共同声明」(2010年1月26日)を公表し、若年者の就業機会の拡大と円滑な就労促進に向けて、個別企業労使へ働きかけを行うとともに、政府に対し速やかな対策を求めた。
経済のグローバル化の進展と国際競争の激化、少子・高齢化の進行、雇用形態の多様化といった経営環境の変化にともない、従業員の一体感の低下、技能・技術やナレッジの喪失、ミドルマネジャーの負荷増大、就労ニーズの多様化等人事労務マネジメント上の新たな課題が生じていることから、政策部会(部会長:松本智日本たばこ産業執行役員人事責任者)において、専門家や有識者、民間企業約20社へのヒアリング等を実施し、諸課題を整理するとともに企業の対応について報告書を取りまとめるべく検討を行った。
厚生労働省中央最低賃金審議会における2009年度地域別最低賃金額改定の目安審議の状況に関して、同審議会使用者側委員から説明を聞くとともに、2009年度の目安答申に向けた使用者側の対応について了承した。
改正労働基準法の成立後、労働法企画部会(部会長:庄司哲也日本電信電話取締役総務部門長)を中心に、企業実務への影響の観点から政省令等の検討を行い、円滑な施行に向けて経済界の意見が反映されるよう努めた。8月には改正法の説明会を開催する等の周知活動を行った。また「緊急経済対策」(2009年12月8日閣議決定)で決定された「労働時間等設定改善指針」の改正に際して、企業の実態を踏まえるよう関係方面に働きかけた。
労働法企画部会において、有識者を招いて有期労働契約のあり方を検討した。
内閣府での仕事と生活の調和推進に関する点検・評価の検討に際し、規制強化や企業の負担とならない方法等とするよう求め、また厚生労働省の「仕事と生活の調和推進プロジェクト」に参画する企業には情報交換の場の提供等の支援を行った。
労働安全衛生部会(部会長:清川浩男三菱マテリアル副社長)とその下部のワーキング・グループで、2009年4月6日に一部改正された労災認定に関わる「職場における心理的負荷評価表」の見直し、2010年4月に改正される安衛法の定期健康診断時の胸部エックス線検査対象の見直し、石綿等の全面禁止に関わる改正等について検討を行い、労政審で使用者側委員を通じ意見表明した。
第98回国際労働機関(ILO)総会で取り上げられた議題「HIV/AIDSと仕事の世界」について部会委員等からの意見を集約し、討議に臨んだ。
2009年6月に成立した改正育児・介護休業法が全面施行する2010年6月30日に向けて労政審が行った同法省令、指針案の審議に際して、企業実務の観点から集約した意見を使用者側委員を通じて意見表明した。
福利厚生検討ワーキング・グループで各企業の福利厚生の具体的な取組み事例を聴取、直面する課題を整理し、その解決に向け今後の方向性を検討した。
国際競争力、雇用創出力のある中小企業の創出・支援のため、実態把握のためのアンケート調査を実施するとともに、企業の好事例を聞く等した。
株式会社リクルートの太田芳徳HCソリューションユニットゼネラルマネジャー兼コンサルティングディレクターより、中小企業における若年層の人材確保・定着に向けた課題と対策について説明を聞くとともに、意見交換を行った(2009年5月22日)。
中小企業における人材の確保・定着・育成に関する具体的な施策の実施状況や課題、また、中小企業が求める施策等を把握するため、地方経営者協会の会員企業を対象とするアンケート調査を実施した(2009年7月)。
報告書の取りまとめに向けて、中小企業における人材の確保・定着・育成に関する現状や、人材の位置付け等を把握するため、全国の中小企業21社から事例聴取を行った。
人命及びわが国の経済社会への甚大な被害が生じる可能性が高い強毒性の新型インフルエンザ発生に備えた政府の対策の充実を図る観点から、「鳥由来の新型インフルエンザ対策の再開・強化を求める」(2009年11月17日)を取りまとめ、政府が早期に講ずべき対策の円滑な遂行を求めた。その上で、政府関係部局との意見交換を行い、新型インフルエンザ対策の再構築に向けて政府の取組みが実効あるものとなるよう経済界の要望を伝えた。
企業の対策に関しては、2009年2月に政府が新型インフルエンザ行動計画の改定等を実施したことを受け、社会機能の維持を担う企業・団体を中心とする検討会を設置し、事業継続に必要な課題を把握する等の情報共有に努めた。また、会員等に対して「新型インフルエンザ対策に関する企業アンケート」(2009年7月30日)を実施し、企業の対策の現状や今後の対策を進める上での課題等の把握を行った。
2009年4月に発生した豚由来の新型インフルエンザに対しては、各社の対策の推進に資するべく、尾身茂政府新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会委員長(自治医科大学教授)や田代眞人国立感染症研究所新型インフルエンザウイルスセンター長を来賓に招き、政府の対策の考え方や感染状況およびウイルスの特性等について説明を聞く機会を設け、情報提供に努めた。また、政府の対応方針や要請事項について、会員企業・団体への連絡を実施した。
政府の少子化対策大綱「子ども・子育てビジョン」(2010年度以降の少子化対策の基本方針)の策定に際し、「少子化対策についての提言」(2009年2月発表)をベースに意見を取りまとめ、政府へ提出した。この中で、少子化対策の政策目標を明確化しPDCAサイクルを確立・実行すること、仕事と子育ての両立支援策や子育ての負担感解消策に重点的に取り組むこと等を求め、意見反映につなげた。
さらに、社会保障審議会において、日本経団連代表委員を通じ、保育サービスの量的拡充に向け、多様な働き方に対応する柔軟な保育サービスの必要性や参入規制の緩和を主張する等、審議報告への意見反映に努めた。また、企画部会(部会長:高尾剛正住友化学専務執行役員)において、子育て支援に関わる政府の動向を踏まえた今後の対応のあり方について意見交換を行った。
子育てを温かく見守り支える社会づくりに向け、政府が進める「家族・地域のきずなを再生する国民運動」の機会を通じ、各社にノー残業デーの設定等、具体的施策の展開を呼びかけた。さらに、この取組みの一環として、2009年11月18日にシンポジウム「子育てに優しい社会の実現を目指して」を開催し、子育て支援制度やワーク・ライフ・バランス施策を推進する企業事例や政府・地方自治体・NPOの取組み等を紹介した。
ILO総会への対応
6月3日から19日まで、スイスのジュネーブにおいて第98回ILO総会が開催され、鈴木俊男日本経団連国際協力センター参与(ILO使用者側理事)を代表とする事務局員4名を派遣した。同総会では、経済危機下の厳しい雇用情勢に各国およびILOはどのように対応すべきかの討議が行われた。その結果、経済回復や雇用創出の政策を進める上で各国の参考となる「グローバル・ジョブズ・パクト」がまとめられた。この他、HIV/AIDSに罹患した労働者の権利保護等について「勧告」の策定をめざす討議や、男女平等を促進するために求められる政策についての討議が行われた。
当委員会では、事前に各種議題に臨む使用者側の見解について審議を行うとともに(5月)、参加者から報告を聴取した(7月)。
専門家会議等への対応
テーマ別に開催されるILOの各種の専門家会議やアジア太平洋地域の会議・セミナー4件に日本使用者側代表を派遣した。
2009年12月、豪州、カナダ、米国の使用者団体の幹部を招き、「経済危機に対する各国経営者の取組み」と「国際労働組織への対応」について説明を聞くとともに意見交換した。
10月に委員会を開催し、鈴木庸一外務省経済局長ほか関係省幹部より、交渉の進展状況等について、2010年2月開催の委員会では、北島信一在ジュネーブ代表部大使より、交渉の現状と見通し等について、それぞれ説明を聞くとともに、意見交換した。また、米国サービス産業連盟主催の「グローバル・サービス・サミット」(10月、於:ワシントン)に参加するとともに、各国サービス産業団体と共同で声明を発出し、WTOドーハ・ラウンド交渉の2010年中の妥結等による貿易の促進を通じた雇用の創出、成長・開発の促進を求めた。
提言「グローバルな投資環境の整備のあり方に関する意見」(2008年4月15日)の実現に向けて、政府の対外投資戦略会議を通じて、投資協定はじめ経済条約の締結および対外投資に関連する各種施策に経済界の意見が反映されるよう働きかけた。7月には企画部会(部会長:笹川隆三菱電機常務執行役)を開催し、外務・経済産業両省より同会議の検討状況と今後の進め方等について聞くとともに、意見交換した。
アジア太平洋地域の持続的成長に向けて地域経済統合の推進等に関し提言を取りまとめるべく、企画部会を開催し、有識者、APECビジネス諮問委員会(ABAC)委員等から説明を聞いた。
提言「実効ある安全保障貿易管理に向けて制度の再構築を求める」(2007年3月20日)の実現状況を検証するとともに、残された課題を整理すべく、2010年1月に輸出管理タスクフォースを開催し、(財)安全保障貿易情報センターより米国の安全保障貿易管理政策の動向について、2月には経済産業省から今後の政府の取組み等について、それぞれ説明を聞くとともに、意見交換した。
世界的な経済危機の中、緊急かつ重要な諸課題に対し、提言「官民連携を梃子に国際協力の戦略的・機動的な展開を求める」(2009年4月8日)を取りまとめ、同日、御手洗会長を座長とする、麻生内閣首相、二階経済産業大臣との懇談会を開催し、実現に向けた働きかけを行った。
上記の提言を踏まえ、外務省、財務省、経済産業省との対話を数次にわたり実施し、国際協力機構(JICA)の海外投融資の実現に向けた具体的な提案等を行った。また、福山哲郎外務副大臣との懇談会(12月)を開催し、民間から見たODAの現状と課題等につき意見交換を行った。
外務省の「ODA腐敗防止検討会」に対して、政策部会(部会長:福林憲二郎住友化学専務執行役員)で意見を取りまとめ(8月)、外務省に伝えた。
アジア成長戦略の策定のため、アジア・大洋州地域委員会との合同で二階俊博経済産業大臣、中曽根弘文外務大臣との懇談(6月)を皮切りに、部会・ワーキング・グループ等で検討を行い、提言「危機を乗り越え、アジアから世界経済の成長を切り拓く」(10月20日)及び、提言「アジア経済の成長アクション・プランの実現に向けて」(11月17日)を取りまとめた。提言の実現のため、直嶋正行経済産業大臣(10月)、岡田克也外務大臣(12月)はじめ、関係方面に働きかけを行った。また、メコン首脳との昼食懇談会(11月)や2次にわたるASEANミッション(11月〜12月、1月)で各国政府・経済界首脳に提言に基づくアジア成長戦略について説明し、賛同を得た。さらに、上記提言の各論の具体化に向けて、提言「豊かなアジアを築く広域インフラ整備の推進を求める」及び提言「豊かなアジアを築く金融協力の推進を求める」(3月16日)を取りまとめた。
アフリカの農業支援に関するNPOの理事長を務めるアナン前国連事務総長の来日時に、米倉評議員会議長を座長とする同氏との昼食懇談会(6月)を開催し、意見交換を実施した。
ディアラ国連事務次長(7月)、アダムス世界銀行副総裁(10月)との懇談会、政策部会で米国国際開発庁(USAID)との懇談会(2月)を開催した。
経済協力開発機構(OECD)加盟国経済団体で構成される民間諮問機関 Business and Industry Advisory Committee to the OECD(BIAC、本部パリ)を通じて、わが国経済界の意見をOECDの取組みに反映させるべく、以下の活動を行った。
5月のBIAC総会に本田委員長、藤田純孝委員長代行が、10月のBIAC理事会に本田委員長が、それぞれ参加し、わが国経済界の立場から意見を述べた。
わが国企業関係者が、50回を超えるBIACおよびOECDの会合に参加するとともに、OECD多国籍企業行動指針の改訂等、企業活動に係るルール等に関し、わが国経済界の意見が反映されるよう、適宜意見を取りまとめ、BIACに提出した。
BIAC、OECDにおける検討状況の国内議論への還元を図るとともに、国際動向を把握すべく、外務省経済局幹部(6月)、ウォルターBIAC経済政策委員長(9月)、アールト・ヤン・デ・ゲウスOECD事務次長(10月)、アンヘル・グリアOECD事務総長(11月)と懇談した。2010年3月には、BIAC本部の活動について報告会を開催した。また、上記OECD多国籍企業行動指針の改訂に関し、外務省から主な検討項目等について説明を聞くとともに(11月)、OECD多国籍企業行動指針改訂検討タスクフォース(座長:本田委員長)を設置し、12月より具体的な検討を開始した。
BIACおよびOECDの活動をわが国経済界に広く紹介すべく、機関誌(「BIAC NEWS」)、小冊子(「BIACの組織と活動」)を発行した。
関係委員会との連携のもと、交渉中の湾岸協力会議(GCC)、インド、豪州等との自由貿易協定(FTA)・経済連携協定(EPA)の早期締結、韓国とのEPA交渉再開、メキシコとのEPA再協議の推進、さらにはEU、米国との経済統合協定(EIA)・EPA交渉の開始に向けて、直嶋経済産業大臣(10月)、岡田外務大臣(12月)との懇談の機会をはじめ、関係方面に働きかけを行った。
また、全国経済人連合会(韓国)、国際貿易促進委員会(中国)とともに開催した日中韓ビジネス・サミット(10月)の共同宣言において、日中韓FTA交渉の推進を提言し、産学官共同研究の立ち上げを実現した。
インドネシアならびにフィリピンとのEPAに基づいて、2008年から受け入れている看護師・介護福祉士候補者が、滞在資格を取得し、所期の目的を果たすよう、規制改革要望を取りまとめ、関係方面に対応を要請した。
4月にイタリアのサルディニア島で開催されたG8ビジネス・サミットに御手洗会長、渡、前田、大橋、岩沙の4副会長ならびに横山ヨーロッパ地域委員会共同委員長が参加した。金融・経済危機への対応を含む世界経済情勢について意見を交わすとともに、保護主義の圧力に抗し、自由な貿易・投資を推進するための方策、温暖化防止に関するポスト京都議定書の国際枠組のあり方等、グローバルな課題に関する経済界の見解を共同宣言に取りまとめ、G8サミットで議長を務めるイタリアのベルルスコーニ首相に手交した。
日米EPAの実現に向けた活動の一環として、在日米国商工会議所(ACCJ)と共同で「日米EPAに関する経団連アメリカ委員会・ACCJの共同声明」(7月)を取りまとめた。また、企画部会(部会長:本田敬吉イー・エフ・アイ会長)において、「成長のための日米経済パートナーシップ」のもとで両国における規制改革を推進するため、外務省・経済産業省より両国の相手国政府に対する要望ならびに2009年報告書の内容について聴取した(9月)。さらに、日米経済関係の展望・オバマ政権の対日経済・通商政策について、マーク・ウォール駐日米国大使館経済担当公使を招いて意見交換を行った(2010年3月)。
6月、御手洗会長ほか日本経団連幹部が米国を訪問し、米国ビジネス・ラウンドテーブル(BR)との会合を開催した他、ロック商務長官、イノウエ上院議員ほか米国政府要人と懇談した。また、ルース新駐日米国大使と御手洗会長はじめ日本経団連幹部との間で定期的に懇談を行うこととし、11月、第1回会合を開催した。その他、御手洗会長がイアン・ブレマー ユーラシアグループ社長(9月)、戦略国際問題研究所(CSIS)ジョン・ハムレ所長(10月)、リチャードハース外交問題評議会(CFR)理事長とそれぞれ懇談するとともに、当委員会において意見交換を行った。また、当委員会において、Decision Economics, Inc.のアレン・サイナイ社長との懇談会(2010年1月)を開催し、米国経済の動向とオバマ政権下の政策課題への影響について説明を聴取した。また長谷川委員長、村瀬共同委員長がホーマッツ米国務次官と会談した(11月)。
第46回日米財界人会議(11月、於:ワシントンD.C.)や、日米南東部会(10月、於:東京)をはじめとする日米経済協議会の活動を支援した。
外務省の招聘により来日した日系米国人リーダー代表団と懇談会(3月)を開催した。
ジョナサン・フリード駐日カナダ大使の御手洗会長表敬(9月)
2010年にカナダがG8議長国、日本がAPECホスト国を務めることを踏まえ、アジア太平洋自由貿易構想(FTAAP)および環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を含むアジア太平洋地域の経済統合等について意見交換を行った。
マルルーニー カナダ元首相の昼食講演会(9月)
マルルーニー カナダ元首相が来日されたのを機に、同氏を迎え、駐日カナダ大使館との共催で昼食講演会を開催した。当日は、カナダの経済情勢や今後の日加経済関係への期待等について説明を聞くとともに、意見交換を行った。
ディビッド・エマーソン前カナダ外務大臣との懇談会(10月)
国際貿易大臣や外務大臣の要職を歴任されたエマーソン氏を迎え、当委員会を開催した。同氏より、日加経済連携強化に向けた方策や、FTAAPやTPP等をはじめ、アジア太平洋地域おける広域経済連携の望ましい枠組みについて意見交換を行った。
マンレー・カナダ経営者評議会(CCCE)次期理事長との懇談会(11月)
当委員会が、日加経済関係について定期的に会合を開催し、意見交換を行っているカナダの主要経済団体であるカナダ経営者評議会(Canadian Council of Chief Executives:CCCE)より、マンレー理事長が来日されたのを機に、同氏を迎え、FTA/EPAを含む日加経済連携に向けた取組みや、今後の日本経団連とCCCEとの協力関係について意見交換を行った。
日・EU経済統合の強化に向けて、提言「日・EU経済統合の実現を目指して−日・EU EPAに関する第二次提言−」(2009年4月14日)、「日・EU経済統合協定交渉の開始を求める−日・EU EPAに関する第三次提言−」(2009年11月17日)を取りまとめた。第三次提言の取りまとめにあたっては、企画部会(部会長:久田眞佐男日立製作所執行役常務)に日・EU経済統合協定検討タスクフォース(座長:久田部会長)を設置し、日・EU経済統合の強化に向けた非関税案件の協議の模様等について政府から説明を聞くとともに提言の起草にあたった。直嶋経済産業大臣および岡田克也外務大臣との懇談会ならびに下記(2)(3)に掲げる欧州委員会およびEU各国の要人との懇談に際し、さらにはEUおよびEU主要国駐日大使に対して、上記提言の実現に向け働きかけを行った。
4月、御手洗会長を団長とする訪欧ミッションをベルギー、イタリア、スペインに派遣し、イタリアで開催されたG8ビジネス・サミットに参加するとともに、ビジネスヨーロッパ、ベルルスコーニ首相(イタリア)、フアン・カルロス一世国王(スペイン)、スペイン経団連等と懇談し、金融・経済危機への対応を含む世界経済情勢、日・EU経済統合強化の方策等について意見交換した。
来日した要人との間で二国間経済関係の強化、日・EU経済統合協定の意義等について懇談した。
世界経済の回復を牽引することが期待されるアジアの持続的成長に向けて、官民連携の下わが国の貢献を進める観点から、日本政府首脳との懇談会を2009年4月(麻生太郎首相、二階俊博経済産業大臣)、6月(二階経済産業大臣、中曽根弘文外務大臣)に開催し、共通認識の形成を図った。また、国際協力委員会と合同で、提言「危機を乗り越え、アジアから世界経済の成長を切り拓く」(10月)および「アジア経済の成長アクション・プランの実現に向けて」(11月)を取りまとめ、関係方面に実現を働きかけた。検討にあたっては、木村福成慶応義塾大学教授(9月)、白石隆総合科学技術会議議員(10月)、岡田秀一経済産業省通商政策局長(11月)から説明を聞くとともに懇談した。
さらに、下記ASEANミッションの成果をふまえ、2010年3月に、提言「豊かなアジアを築く広域インフラ整備の推進を求める」と「豊かなアジアを築く金融協力の推進を求める」を取りまとめた。
タイ、シンガポール、ベトナム(11〜12月)ならびにインドネシア(2010年1月)に御手洗会長を団長とするASEANミッションを派遣し、各国政府、経済界首脳等と、アジアの成長戦略について共通認識を形成するとともに、今後の協力方策について意見交換を行った。またスリン・ピッスワンASEAN事務総長と懇談し、アジア総合開発計画の策定に向けて協力することで合意した。
民間の活力による豊かな経済社会の形成に向けて、日本経団連主催によりアジア11の国・地域(中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム、日本)より13の経済団体のトップが一堂に会し、アジア・ビジネス・サミットを開催した。同サミットでは、持続的な経済成長に向けた域内経済統合、ソフト・ハードのインフラ整備に向けた官民連携、域内金融協力、環境エネルギー問題をはじめとする地球規模課題への取組みのあり方等について円卓方式で意見交換を行い、その共通認識を共同声明に取りまとめた。また、岡田外務大臣、直嶋経済産業大臣が来賓として出席し、レセプションに出席した鳩山首相首相に御手洗会長より共同声明を手交した。
日中韓首脳会議の開催に合わせて、中国の国際貿易促進委員会の提案を受け、韓国の全国経済人連合会(全経連)とともに北京でビジネス・サミットを開催した。会議では、日中韓FTAの推進、環境問題、域内の投資促進や産業協力など3カ国間の協力について意見交換を行った。また、首脳会議直後の鳩山首相、温家宝首相、李明博大統領より、日中韓協力のあり方について聞いた。
李明博大統領の来日に際し、大統領に同行来日した全経連をはじめとする韓国経済人との間で懇談会を開催し、産業協力の推進、環境・省エネルギー・観光等での協力、日韓EPAの推進について懇談した。
日メコン首脳会議で来日したフン・セン カンボジア首相、ブアソーン ラオス首相、テイン・セイン ミャンマー首相、アピシット タイ首相、ズン ベトナム首相との昼食懇談会を日本商工会議所と共同で開催した(11月)。また、メコン地域への理解を深めるとともに、アジア成長戦略の一環として経済界の対応を検討する観点から、企画部会において、藤村学青山学院大学教授、ケオラ・スックニラン アジア経済研究所研究員から、メコン地域開発の現状や課題につき説明を聞くとともに懇談した。
日豪EPA交渉の進捗に合わせて、外務省、経済産業省、農林水産省、財務省の交渉担当者より、交渉会合の結果概要などを聴取するとともに、経済界としての要望を伝えるため、懇談会を開催した(2010年3月)。
アジア開発銀行とセミナーを共催し、ジョゼフ・ズベグリッジ・ジュニア経済調査局次長ほかからアジア太平洋地域の経済見通しや環境関連支援プログラムについて(10月)、またラジャト・ナグ事務総長から地域経済統合に向けた官民連携について(2010年2月)それぞれ説明を聞くとともに懇談した。
日本・ニュージーランド・パートナーシップ・フォーラムへの協力(10月)
東京で開催された日本・ニュージーランド・パートナーシップ・フォーラムの運営に協力した(日本側議長は宮内アジア・大洋州地域委員会共同委員長)。
チュンマリー・サイニャソーン ラオス国家主席との懇談会(2010年3月)
来日したラオスのチュンマリー国家主席との懇談会を開催し、両国経済関係やメコン地域開発の展望などにつき意見交換を行った。
柳明桓 韓国外交通商部長官の御手洗会長表敬(2010年1月)
来日した柳長官と懇談会を開催し、日韓EPA交渉再開に向けた経済界の期待を伝えるとともに、日韓間の貿易投資促進について意見交換を行った。
2009年9月、御手洗会長が日中経済協会訪中代表団の最高顧問として訪中し、温家宝総理と日中経済関係のさらなる拡大に向けた諸問題について意見交換を行った。
4月、2001年から2期8年にわたる植林協力の竣工を記念して、御手洗会長臨席のもと、重慶市長寿区において竣工式典を開催した。
竣工式典の前日、御手洗会長一行は重慶市政府に薄熙来書記を訪ねた。薄熙来書記から日本経団連の植林協力への謝意が表明された。
6月、第2回日中ハイレベル経済対話のために来日した王岐山副総理一行を招き懇談会を開催するとともに、現下の経済情勢とその見通しや国際金融危機に対する企業の対応策に関して意見交換を行った。
2009年12月、顧秉林学長をはじめとする清華大学一行を招き、「中国の人材育成」と「中国の緑色経済(グリーン・エコノミー)」について説明を聞くとともに意見交換した。
国務院新聞弁公室等が主催して9月に東京で開催した建国60周年記念シンポジウムに協力した。
御手洗会長が「未来志向の日中経済関係」と題する基調講演を行ったほか、米倉評議員会議長がパネリストとして参加し、中国経済と国有企業の抱える課題について中国政府の専門家との討論を行った。
3月末から4月初めにかけて、実務レベルのミッションを中国の浙江省に派遣した。
9月の訪中をはじめ、日中経済協会の諸活動に協力した。
第二次ASEANミッションとして2010年1月に直嶋経済産業大臣とともにジャカルタを訪問し、ユドヨノ大統領と懇談するとともに、ハッタ経済担当調整大臣、ヒダヤット工業大臣兼インドネシア商工会議所(KADIN)会頭等、インドネシア官民要人の参加を得て、日インドネシア経済合同フォーラムを開催し、両国経済関係発展に向けた展望と、アジア成長戦略について共通認識の形成を図った。
来日したギタ・ウィルヤワン投資調整庁長官との懇談会を開催し、インドネシアにおける投資環境の現状やインフラ整備における日本企業への期待につき説明を聞くとともに、日本企業による投資の促進につき懇談した。
国際協力機構主催のインドネシアセミナーに興津、辻両共同委員長がパネリストとして参加し、インドネシアの中期開発計画や東アジア経済統合における両国間協力等について意見交換を行った。
5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について、書面をもって報告した。
第一次ASEANミッションにおいて11月から12月にかけてバンコクを訪問し、アピシット首相、ゴーン財務大臣、カシット外務大臣、チャーンチャイ工業大臣等の政府首脳や経済界代表と、アジア成長戦略、両国経済関係の強化、ビジネス環境整備の当面の課題をめぐり意見交換を行った。
ポンティワー商務大臣との懇談(4月)
来日したポンティワー商務大臣との懇談会を開催し、タイの政治経済情勢および観光分野の産業協力につき意見交換を行った。
コープサック副首相との懇談(5月)
来日したコープサック副首相より、政治、経済情勢悪化への対応策と、経済危機対応のための中長期的な経済政策につき説明を聞くとともに、意見交換を行った。
ゴーン財務大臣との昼食懇談会(3月)
来日したゴーン財務大臣と懇談会を開催し、タイの経済情勢や投資促進政策について聞くとともに、アジアにおける金融協力策につき懇談した。
5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について、書面をもって報告した。
第一次ASEANミッションにおいてハノイを訪問し、チエット国家主席、ズン首相、フック計画投資大臣等の政府首脳と懇談し、ベトナムのインフラ整備における両国間協力や日越共同イニシアティブの推進等について意見交換を行った。また、ベトナム商工会議所代表との会合を開催し、今後の両経済界の関係強化につき意見交換を行った。
ベトナムの投資環境改善を目的として、日本政府・経済界とベトナム政府との間で設置された枠組みである「日越共同イニシアティブ」第3フェーズの中間評価が2010年1月に実施されたことに伴い、外務省の小野南東アジア第一課長より、中間評価の結果や今後の課題等につき説明を聞いた。
奨学金の授与(12月)
12月、ベトナム日本商工会およびベトナム商工会議所(VCCI)との協力のもと、2002年度より開始したベトナム人大学生への奨学金の授与式を行った(ダナン大学、フエ大学、ホーチミン工科大学、ホーチミン人文科学大学)。
日本法普及プロジェクトへの支援
2003年から明治大学他が実施しているベトナム国家大学法学部(ハノイ)での日本法講座について、2010年から2012年の間資金協力を行うことを決定した。
7月に2009年度総会を開催し、5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について報告した。これに先立ち、外務省の小野南東アジア第一課長より、ベトナム経済の現状と日越関係の展望等につき、説明を聞くとともに懇談した。
マイン共産党書記長との懇談(4月)
来日したマイン書記長と懇談し、日越EPAや日越共同イニシアティブの進捗を評価するとともに、エネルギー、裾野産業、環境等、新たな協力分野の提案がなされた。
ズン首相との懇談会(5月)
来日したズン首相と、日越EPAの活用や日越共同イニシアティブの推進等対越投資環境改善、両国経済関係の強化について意見交換を行った。
ホアン商工大臣との懇談会(10月)
日越EPA発効に併せて来日したホアン商工大臣と、EPA発効後の課題等、両国経済関係につき意見交換を行った。
ズン首相との懇談(11月)
日メコン首脳会議のため来日したズン首相と懇談し、日越の経済関係強化や、アジア内需の拡大、広域経済連携の推進について意見交換を行った。
12月、台北にて第37回東亜経済人会議を開催した。日本側は上島委員長、服部禮次郎顧問はじめ75名、台湾側は辜濂松東亜経済会議台湾委員会会長はじめ90名が参加し、日台企業協力と観光について議論を交わした。
7月、東京において日台双方の主要メンバーが参加する少人数の幹部会議を開催し、「世界経済情勢と企業経営」、「中国経済と両岸関係」等について忌憚のない意見交換を行った。
9月、台湾の経済部の主催により東京で開催された台湾投資セミナーを後援した。セミナーの冒頭、上島委員長が来賓として挨拶をした後、黄重球次長(次官)をはじめとする経済部の関係部局の幹部(局長級)が、最新の情勢と政策について説明を行った。
2月、東京において、第31回日本・香港経済合同委員会を開催した。日本側は鈴木委員長はじめ44名、香港側はビクター・ファン委員長はじめ20名が参加し、中国経済と中国におけるビジネス・チャンスをめぐり意見交換を行った。
2009年11月に、中南米地域大使との懇談会を開催し、わが国の中南米地域における各国の最近の政治・経済情勢ついて説明を聞くとともに、官民連携の推進について意見交換を行った。
米州開発銀行主催の「IDB創立50周年セミナー 〜ラ米・カリブ海諸国とアジアにおける経済協力連携強化〜」に協力した。
メキシコ国際企業連盟(COMCE)との間で、第28回日本メキシコ経済委員会(2010年2月、於:東京)を開催し、ルイス経済大臣、コルデロ財務大臣、モリナール通信運輸大臣をはじめとする政府要人ならびに経済界首脳との間で、経済関係強化の方策について意見交換を行った。また、昼食会でカルデロン大統領より、メキシコ経済の将来展望や投資の可能性等について聞いた。
日本・メキシコ経済連携協定が2005年の発効から5年目の再協議を迎えるにあたり、「日本・メキシコ経済連携協定の再協議に関する要望」(2009年7月)を取りまとめ、関係方面に実現を働きかけた。また、その一環として、メキシコ経済に対する日本企業の貢献に関する調査を実施し、メキシコ側の理解促進に努めた。
5月、外務省の中前隆博中米カリブ課長、八重樫永規領事局政策課長、経済産業省の三田紀之経済連携課長から、日本メキシコ経済連携協定の再協議の交渉方針や新型インフルエンザ対策等について説明を聞き、意見交換を行った。
7月、星野妙子アジア経済研究所上席主任研究員より、メキシコ経済の現状と日墨経済関係等について説明を聞き、意見交換を行った。
9月、エレラ・エネルギー省副大臣との懇談会を開催し、メキシコのエネルギー政策および日本企業との協力の可能性等について説明を聞き、懇談した。
5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について、書面をもって報告した(2009年6月)。
「日本メキシコ交流400周年」(2009年3月〜2010年12月)の日本側実行委員長として、小枝委員長が千葉県御宿町で開催された記念式典に出席したほか、メキシコシティでの日本企業展等の記念事業に協力した。
外務省中南米局の要請に応じ、日本企業等からの派遣生募集に協力した。
官民の枠組みである「日伯貿易投資促進合同委員会」の第2回会合(2009年9月、於:東京)に日本の経済界代表として参加し、ブラジル日本商工会議所との連携のもと、ブラジルのビジネス環境整備に対する課題や、FTAや投資協定締結推進に関する意見陳述を行った。
9月に、準備の一環として企画部会を開催し、第二回会合に向けての対処方針を取りまとめた。
10月には、経済産業省幹部から第2回会合の内容について報告を受けるとともに、今後の対応等について意見交換を行った。
9月に、CNIのマスカレーニャス委員長と槍田委員長が懇談し、第2回日伯貿易投資促進委員会の評価と今後の対応について意見交換をするとともに、第13回日本ブラジル合同経済委員会について、2010年5月に東京で開催することに合意した。
官民の枠組みである「日伯貿易投資促進合同委員会」の第3回会合(2010年4月、於:ブラジリア)に向け、「日伯経済関係強化のための環境整備に関する基本的考え方」を取り纏めた。
2010年3月に、経済産業省幹部から日伯貿易投資促進合同委員会第3回会合の進め方について説明をうけるとともに、経済界からの要望等について、意見交換を行った。
5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について、書面をもって報告した(2009年6月)。
4月に、チャベス大統領との懇談会を開催し、日本政府との間で合意されたエネルギー分野における協力に加え、医療や教育等の社会開発プロジェクトへの期待について説明を聞くとともに、意見交換を行った。
12月に、ヘルムンドベネズエラ側委員長と懇談し、最近のベネズエラの政治情勢や、両国経済界の継続的な協力の必要性について意見交換を行った。
ベネズエラ高等経営研究所(IESA)一行との懇談(5月)
1月に、ベルムデス外務大臣との懇談会を開催し、最近のコロンビア政治・経済情勢や、有望な投資分野について説明を受け、日本との協力関係強化について意見交換を行った。
9月に、外務省中南米局等主催の「寺澤駐コロンビア大使との懇談会」に協力した。
12月、日本政府、アラブ連盟とともに第1回日本・アラブ経済フォーラムを開催した。同フォーラムには、日本側より御手洗会長、渡副会長・委員長、岡田外務大臣、直嶋経済産業大臣、アラブ側よりムーサ・アラブ連盟事務総長、アラブ諸国の閣僚等が出席し、産業振興、雇用推進、観光振興、貿易投資の自由化、エネルギー・環境問題への対応等について意見交換を行った。
また、同フォーラムに向けて、「アラブ諸国との経済関係の強化に向けた考え方」(2009年12月7日)を取りまとめ、当日発表した。
日・GCC FTAタスクフォース(座長:中原秀人三菱商事常務執行役員)が中心となって、湾岸協力会議(GCC)諸国(アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーン)との自由貿易協定の締結を実現すべく、「日GCC自由貿易協定の締結に関する要望」(2009年10月20日)を取りまとめ、関係方面に建議した。
9月に委員会を開催し、経済産業省の岡田秀一通商政策局長、外務省の鈴木敏郎中東アフリカ局長より、最近の中東情勢等について説明を聞き、意見交換を行った。10月に委員会を開催し、畑中美樹国際開発センターエネルギー・環境室研究顧問より、日アラブ関係の強化に向けた民間の役割等について説明を聞き、意見交換を行った。
12月に中東・北アフリカ地域駐在大使との懇談会を開催し、日本政府の同地域における外交政策課題等について説明を聞き、意見交換を行った。
日イラク両政府主催の第2回日イラク経済フォーラム(2009年12月、於:バクダッド)において渡副会長・委員長が経済界を代表し、基調報告を行った。
サウジアラビアの産業多角化や人材育成の協力の可能性を探るため、日本政府が設置した「日本サウジアラビア産業協力フレームワーク」の活動に協力した。
訪日したエルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣の臨席を得て、トルコ海外経済評議会(DEIK)とともに、第17回日本トルコ合同経済委員会を開催し、両国の経済情勢とビジネス環境、自動車、ICT、電機・電子、製薬、建設・インフラ、観光分野等の有望分野における協力、ならびにEU、中東、ロシア、中央アジア等の第三国における協力について意見交換を行った(2009年10月、於:東京)。
5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について、書面をもって報告した(2009年6月)。
5月にナハヴァンディアン・イラン商工鉱会議所会頭との懇談会を開催し、民営化が進むイラン情勢、自動車産業やエネルギー産業等の有望な協力分野について、説明を聞くとともに懇談した。
5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について、書面をもって報告した(2009年6月)。
11月にケラール・アルジェリア経営者フォーラム(FCE)副委員長との懇談会を開催し、炭化水素分野に加えて、自動車、医薬品、再生可能エネルギー等新たな投資分野について説明を聞くとともに、第7回日本アルジェリア合同経済委員会の開催準備を含め、今後の協力関係の強化策について意見交換を行った。
アフリカ官民連携実務者セミナーへの出席(10月)
外務省・経済産業省共催の「アフリカ官民連携実務者セミナー」の開催に協力するとともに、同セミナーにおいて、アフリカ開発における課題と官民連携の意義について意見交換を行った。
アフリカ大使会議への出席(12月)
外務省主催のアフリカ大使会議「アフリカとのビジネス促進」の開催に協力するとともに、同会議において、アフリカ駐在日本大使とアフリカにおけるビジネス促進の課題と方策について意見交換を行った。
訪日したウラジーミル・V・プーチン首相の臨席を得て、ロシア産業家企業家連盟(RSPP)とともに、日本ロシア経済フォーラム(第10回日ロ経済合同会議を兼ねて)を開催した。両国の政府・経済界関係者ら総勢約400名の参加のもと、エネルギー、資源開発、輸送インフラ整備、輸送機器等の製造、金融の各分野での二国間経済交流の一層の多様化の可能性について報告が行われた。
同フォーラム終了後、御手洗会長の主催により、双方の経済界代表が出席して、プーチン首相歓迎昼食会を開催し、ロシアの経済政策等について説明を聞くとともに、意見交換を行った(2009年5月、於:東京)。
ロシア・NIS諸国の政府・経済界要人と、二国間経済関係の一層の拡大に向けた方途等について懇談した。
定時総会を開催し、5月28日の日本経団連第10回総会において可決承認された2008年度事業報告・収支決算と2009年度事業計画・収支予算について報告した。また、役員改選が原案通り承認された(2009年7月)。
7月に総会を開催し、2008年度事業報告・収支決算、2009年度事業計画・収支予算の承認、役員の一部改選を行った。当日は、東京大学大学院情報学環の田中明彦教授より「最近の国際情勢と日本の安全保障」というテーマで講演を聞くとともに、「わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言」の審議を行った。
総合部会(部会長:川井昭陽三菱重工業常務執行役員航空宇宙事業本部長)および基本問題ワーキング・グループ(主査:岩崎啓一郎三菱重工業航空宇宙事業本部航空宇宙業務部部長)において有識者からのヒアリングを重ね、7月の総会を経て「わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言」(2009年7月14日)を取りまとめ、防衛産業基盤の強化に向けた防衛産業政策の策定や、武器輸出三原則等の見直しを提言した。
その結果、8月に政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」がまとめた報告書に、防衛産業政策の必要性や武器輸出三原則等の具体的な見直しの方針が明記された。また、9月には内閣官房副長官補の櫻井修一内閣審議官から、報告書に関する説明を聞いた。
「わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言」の要望事項の実現に向けて、2010年3月に、実務レベルを中心としたメンバーによる「防衛産業政策に関する調査ミッション」(団長:岩崎啓一郎基本問題ワーキング・グループ主査)をイギリス、フランス、ベルギーに派遣し、欧州の防衛産業政策を調査した。
これに先立ち、10月に英国のデイヴィス防衛装備支援担当大臣より、英国の防衛産業政策について説明を聞いた。また、基本問題ワーキング・グループで、欧州の防衛関係者、有識者、政府関係者等からヒアリングを行った。
12月に、自民党の衛藤征士郎衆議院議員主催による国防部会・自民党国防議員連盟合同会議において、2010年度防衛関係予算編成に関する意見交換を行った。2010年1月に、北澤防衛大臣と防衛関連企業の意見交換会において、佃委員長が、「わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言」の内容等を説明した。
5月に米国陸軍省で輸出・国際協力を担当しているウェブスター補佐官代理より日米の防衛協力について説明を聞いた。10月には米国PPI社のパイパー社長より、オバマ新政権の外交・安全保障政策等について説明を聞いた。2010年2月には韓国防衛産業振興会の権顔都副会長との懇談会を開催し、韓国の防衛産業政策についての説明を聞いた。
防衛技術・生産基盤に関する関係者の理解を促進するため、「我が国の防衛産業と装備品生産の現状と課題」、「イスラエルの航空宇宙・防衛産業」に関する特報を8月と12月に出版し、広く配付した。
総会を7月に開催し、役員の一部改選により谷口一郎三菱電機相談役が委員長を退任し、下村節宏三菱電機社長が新委員長に就任した。また、2008年度事業報告と収支決算、2009年度事業計画と収支予算が承認された。総会では、ジャーナリストの中野不二男氏から、「宇宙利用の推進に向けて」をテーマに講演を聞いた。総会終了後、塩谷立文部科学大臣(当時)等を招き、記念パーティーを開催した。
宇宙基本計画策定へ向けた対応
政府の宇宙開発戦略本部の「宇宙基本計画」の策定に対し、5月に宇宙開発利用推進委員会企画部会・宇宙利用部会においてパブリック・コメントとして「宇宙基本計画に関する意見」を取りまとめ、基本計画への意見反映を図った。
具体的には、宇宙開発戦略本部の機能強化や、基本計画に盛り込まれた各プロジェクトをはじめ今後5年間の施策を推進するために必要な予算増の実現を関係方面に求めた。6月に政府が取りまとめた宇宙基本計画では、5年間で34基の衛星打ち上げ、最大2.5兆円程度の必要資金の見積もりが盛り込まれた。
新成長戦略策定へ向けた対応
2010年2月から企画部会・宇宙利用部会において、有識者や政府関係者からヒアリングを行った。その結果を基に、2010年6月に政府が策定予定の新成長戦略に、宇宙開発利用の推進に向けた経済界の考え方が反映されるよう、4月に「国家戦略としての宇宙開発利用の推進に向けた提言」を取りまとめることとした。
国内外の宇宙開発利用の動向に関する理解を深めるため、会報「宇宙」第58号「新たな宇宙開発利用の実現に向けて」を2010年3月に出版し、広く配付した。
(1) 公益信託日本経団連自然保護基金は、本年度、アジア・太平洋地域を中心に、61件の自然保護プロジェクトに対し1億9,710万円の支援を行った。また支援の原資となる募金に努めた。
(2) 4月、「日本経団連生物多様性宣言」発表を記念したシンポジウムを、また9月に、主に企業担当者向けの「生物多様性入門セミナー」を開催した。それぞれ200名を越す参加があった。
(3) 10月、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の1年前記念行事として開催された、生物多様性ポスト2010年目標とアジアビジョン(2009年10月10日、於:東京)、生物多様性フォーラム(2009年10月12日、於:名古屋)、神戸生物多様性国際対話(2009年10月15日〜16日、於:神戸)に、佐藤副会長、協議会企画部会委員より自然保護協議会の活動、日本の産業界の取組みを紹介した。
(4) 10月16日〜22日、タイ・フィリピンに自然保護プロジェクト視察ミッション(団長:大久保会長)を派遣した。現地では、渡り鳥の調査・モニタリング活動を通じた湿地保全や環境教育、希少動植物のモニタリングと植林、環境に優しい有機農業の促進等の活動を中心に視察を行った。また、タイのアピシット首相やフィリピンのパヘ環境天然資源省次官と懇談し、日本経団連や、日本企業の自然保護活動の取り組みを紹介するとともに、自然保護と地域住民の生活向上の関わり等について意見交換を行った。
(5) 国連生物多様性条約事務局主催の第3回ビジネスと2010生物多様性チャレンジ会議(2009年11月30日〜12月2日、於:ジャカルタ)に、アハメド・ジョグラフ国連生物多様性条約事務局長の招きにより、大久保会長が出席し、日本経団連や日本企業の取り組み、「日本経団連生物多様性宣言」に関するプレゼンテーションを行ったほか、ジョグラフ事務局長をはじめ、出席関係者と意見交換を行った。
(6) 12月「日本経団連生物多様性宣言」の一層の普及と、実効性の向上を目的に、宣言の趣旨に賛同し、宣言・行動指針に則った事業活動を率先して実践する意思のある企業として、日本経団連生物多様性宣言推進パートナーズを募集した。2010年2月19日現在307社の賛同をいただいている。また「日本経団連生物多様性宣言」フォローアップアンケートを行い、宣言発表後の企業の取組みに関してフォローアップを行った。
(7) 「日本経団連自然保護協議会だより」No.48〜No.51を発刊した。
(8) 自然保護基金が支援しているNGO等の報告会を9回開催した。
企業人の政治意識の高揚と積極的な政治参加を促すべく、企業人と政治家が対話・交流する機会を数多く設けた。また、専用ウェブサイトを活用し、政治関連の情報を積極的に発信した。(注:以下、役職名は当時)
日本経団連と協力して、政党幹部と経済界との意見交換を促進した。
1%クラブでは、法人は経常利益の1%以上、個人は可処分所得の1%以上を社会貢献活動のために拠出しようと努める会員を支援するとともに、社会のニーズにあった社会貢献活動の推進を目指している。2010年2月現在、法人会員234社・グループ、個人会員940名。
2010年3月に、日本NPOセンター、国際協力NGOセンター(JANIC)、日本経団連自然保護協議会の協力を得て、標記シンポジウムを開催した。「企業とNPOとの協働」をテーマとするパネルディスカッションを開催するとともに、「地域の課題解決」「生物多様性」「貧困削減」をテーマとする分科会を開催した。
「1%クラブニュース・インフォメーション」を毎月1回発行し、NPO・NGOからの協力・支援依頼やイベント案内、企業の社会貢献活動の情報提供に努めた(2009年4月〜2010年3月〔計12回発行〕)。また、企業の社会貢献活動やNPOの活動に関する問い合せや相談に応じた。
「7月中国・九州北部豪雨」「台湾における台風8号(マラコット)」「フィリピンにおける台風16号(ケッツァーナ)」「サモア諸島地震・津波」「スマトラ島西部パダン沖地震」「ハイチ大地震」等の国内外の災害被災地支援を推進するため、1%クラブニュース増刊号を8回発行し、被災地の状況、支援ニーズ、寄付、ボランティアの受付窓口等の情報を会員企業に提供するとともに、支援を働きかけた。また、企業の支援状況を取りまとめ広報した。
九段坂病院におけるボランティア活動への協力を行った。
7月28日に総会を開催し、2008年度事業報告・収支決算、2009年度事業計画・収支予算が原案通り承認された。当日は総会審議に先立ち、青森県 エネルギー総合対策局 エネルギー開発振興課の濱舘豊光・環境・エネルギー産業振興グループマネージャーから、青森県内のエネルギー関連プロジェクトについて、説明を聞くとともに意見交換を行った。
むつ小川原開発地区の空撮パネルや案内図、会社概要リーフレットを作成するなど、むつ小川原開発地区への立地促進のための広報活動等を支援した。
むつ小川原への官民のプロジェクトの立地、計画の策定などに関して協議する場として、国土交通省、青森県、六ヶ所村、株式会社日本政策投資銀行、新むつ小川原株式会社および日本経団連によって設立された「むつ小川原開発推進協議会」の活動に、本年度も引き続き協力した。
新むつ小川原株式会社の経営安定化に向けて、日本建設業団体連合会等と意見交換を行った。
NICC協議会は、わが国と開発途上国の調和のとれた経済発展と安定的な国際関係の維持に寄与することを目的とする(財)日本経団連国際協力センター(NICC)を支援するため、NICCの活動に対する企業の理解を深めるとともに、企業の意見をNICCの活動に反映し、活動をより有意義なものにすることを目指している。
9月に第8回総会を開催した。NICCから2009年度事業の進捗状況の説明等を受けた。また、米中経済の動向と今後の日米中経済関係について、講演を聴取した。